日本カトリック正義と平和協議会の死刑廃止を求める部会は24日、G7開催に当たり、安倍晋三内閣総理大臣と岩城光英法務大臣宛てに死刑廃止を求める要請書(全文はこちら[PDF])を提出した。
要請書の中で同部会は、「世界人権宣言と日本国憲法を尊重する者として、またイエスの愛の教え(福音)を信じるキリスト者として、2016年5月26、27日のG7伊勢志摩サミット開催にあたり、日本政府に対して改めて、死刑制度の廃止を強く要請します」と述べた。
また、死刑廃止へと向かう国際的な潮流に頑なに逆らい、死刑制度に関する開かれた全社会的議論を始めようともしない日本の姿勢は、これまで長年にわたり国際社会からの批判にさらされてきたなどと述べた。
「国際社会において名誉ある地位を占めるというのは、単にサミットのホスト国となることではなく、世界に対して人権擁護の優れた模範を示すということ」とし、「全世界の国民の自由権・社会権・平和的生存権を確認するというのは、死刑制度を用いて人の生命を奪うことではありません」と述べ、「死刑は国家による殺人」と付け加えた。
さらに、カトリック教会は、全世界で死刑廃止を訴え続けていると説明。現教皇フランシスコも2月21日、死刑廃止に向けた国際的な合意に至るようにと、世界の指導者の良心に訴え掛けたと記し、「たとえ犯罪者であっても、神のたまものであるいのちを生きるという不可侵の権利をもっている」と論じた。
日本政府に対し、「どうかいのちと人権を守る姿勢を世界に示してください。死刑廃止を求める国際社会の声に耳を傾け、死刑の停止・廃止に向けた勇気ある行動をとってください」と訴えた。