教皇フランシスコは死刑の廃止を呼びかけるとともに、終身刑は「隠された死刑」だと断言した。
教皇フランシスコは23日、国際刑法協会の代表者らとの会合で、「全てのクリスチャンと善意ある人々は、今日、自由を奪われた人たちの人間の尊厳の尊重から、死刑の廃止だけでなく、合法か違法かに関わらず、そしてあらゆる形態において、刑務所の状態を改善するためにも闘うよう招かれている」と語った。
「そしてこれを」と教皇は続けた。「私は終身刑と結びつける。終身刑は隠された死刑である」
教皇から非難を受けた法制度の他の側面は、拷問の非合法的な利用、裁判のない囚人の拘禁、「脅威」であるとみなされた人たちの集団の画一視、そして孤立の技法を利用する最大の保安の慣行である。カトリック・ニュース・サービスによると、教皇は、これらは「偏執病や不安、うつや体重の減少、そして自殺の可能性が大きく増大するといった、精神的・物理的な苦しみ」につながりうると述べた。
教皇フランシスコは、年配者が「自らの過ち自体に基づいて社会の他者に教訓を示すことができる」として、高齢の受刑者に課される刑罰は制限されるべきだと提言した。「私たちは聖人の徳だけから学ぶのではなく、罪人の失敗や過ちからも学ぶのだ」と付け加えた。
教皇の幅広い演説は、人身売買も強調するものであったが、それは「能動的であれ受動的であれ、公共の権威の共犯なしには」決して犯すことなどできないと語った。また、「汚職は罪よりも大きな悪である。赦し以上に、この悪は治療する必要がある」とも述べた。
教皇フランシスコは昨年、説教の中で、汚職の慣行に関与している者たちを非難し、罰せられなければならないと主張した。「欺瞞のあるところに、神の霊がおられるはずはない」と、バチカンの聖マルタでのミサで述べた。ルカによる福音書17章の聖句から引用して、「そのような者は、これらの小さい者の一人をつまずかせるよりも、首にひき臼をかけられて、海に投げ込まれてしまう方がましである」とイエスが述べていることを、聴衆に思い起こさせた。