米国務省のマリー・ハーフ副報道官は米国時間の24日に行われた記者会見で、スーダン政府からの情報として、スーダン高裁の命令によって23日に釈放されたキリスト教徒のメリアム・ヤヒア・イブラヒム・イシャグさん(27)とその家族が出国時にハルトゥームの空港で同国政府により数時間拘留されたが、その後釈放されたと発表した。
「国務省がスーダン政府から受けた情報では、この家族は、彼らの旅行に関する文書にかかわる諸問題をめぐる質問のために、同国政府によって一時的にその空港で数時間拘留された」と、ハーフ副報道官は記者団に述べた。
UPI通信など一部の国際ニュースメディアは、イブラヒムさんが「再逮捕された」と報じた。しかし、ハーフ副報道官は「彼らは逮捕されてはおらず、それから釈放された」と語った。
「(スーダンの)政府は彼女たちの安全について私たちに保証した。(駐スーダン米国)大使館はこの家族や(スーダンの)政府との活動に深く関わってきており、それはこれからも続く」「彼女たちの安全かつ迅速なスーダンからの出国を確保するために、我々はスーダン政府官吏に直接関与し、そしてもちろん、より詳しい情報が入り次第それを提供する」とハーフ副報道官は述べた。
英BBCによると、治安警察官がイブラヒム夫人と、夫のダニエル・ワニさん、そしてその2人の子どもたちを24日に拘留したと、彼女の弁護士であるタビット・スリマン氏が述べたという。BBCは、拘留後、同弁護士は、治安当局はなぜ彼女が拘引されたのか述べておらず、彼女たちが空港の治安棟で拘束されていると語ったと伝えた。
イブラヒムさんはキリスト教徒の夫と結婚し、自分はイスラム教徒ではないとしたことで「姦(かん)通」と「背教」の容疑で今年の2月に逮捕され、スーダンの地裁から死刑判決と鞭打ち100回の刑を宣告され、息子と一緒に投獄されていた。これに対する国際的な非難が高まる中でイブラヒムさんは5月、獄中で女の子を出産した。
イブラヒムさんの夫は南スーダン系米国人のカトリック信徒。一家は以前に脅されたことがあり、米国への移住を希望している。
スーダンの政府高官がBBCに語ったところによると、イブラヒムさんはスーダン人であるが、彼女は緊急で米国のビザが付いた南スーダンの文書を使っていたという。同国外務省のアブドゥラヒ・アルザレグ氏は、彼女は釈放の際にパスポートと出国ビザを取得するよう求められるだろうと語った。