太平洋教会協議会(PCC)が1日、公式フェイスブックで伝えたところによると、南太平洋の島国キリバスで死刑を復活させる提案があり、同国民の批判を巻き起こしているという。
キリバス議会は先月末、特定の刑事事件で死刑を用いることを認める刑法改正の第一読会を終了した。
これは、キリバスの女性5人が今年、伝えられるところによれば、以前の伴侶または夫による暴力によって死亡したことを受けたもの。
キリバスのアノテ・トン大統領は、同法案の第一読会の後、死刑が故意による殺人に対する抑止力として働くだろうと語った。
同法案は12月の議会で行われる第2読会後、大統領によって署名されるまでは立法化することはない。
一方、キリバス教会協議会の議長であるポール・ミア・カイウエア司教は、死刑が殺人を防ぐことを示す証拠はないと語る。
「キリバスでは、殺人者に対する終身刑がすでにあり、これは死刑に対して十分過ぎるほどのものだと私たちは考えています。死刑は憎悪と復讐に基づいて、殺人を犯した人たちを除去するための一種の手っ取り早い方法なのです」とカイウエア司教は言う。「キリスト教会として、私たちはキリストご自身のように、殺人を犯す人たちへの憐れみを持つ必要があるのです」と語った。
ラジオ・ニュージーランド・インターナショナル(電子版)が9月8日に報じたところによると、カイウエア司教は、この法案がキリバスの社会で殺人を止めることにはならないとして、これと闘うと述べたという。
「それら(殺人)を止めるのは教育です。結婚の前に男性と女性がその備えをすること。愛とは何かを理解し、夫と妻の間の本当の愛について教会が何を教えているかといったことについて、彼らに考えを教えることです。問題を抱えている全ての人たちのための相談を取り入れることです。しかし、死刑は何の解決ももたらさないでしょう」と、カイウエア司教はラジオ・ニュージーランド・インターナショナルに対して語った。
フィジーのメディアであるアイランズ・ビジネス・インターナショナル(電子版)は1日、「キリバスの女性模倣殺人、死刑法案論争を巻き起こす」という見出しの記事で、キリバスの2つの主要な教会は公にこの法案に反対し、カトリック教会とキリバス合同教会の両方の指導者たちが、死刑はいのちに対する権利を否定するものであると述べたと伝えた。