愛知県豊田市の畑で4月末、一部が白骨化した女性の遺体が見つかった事件で、愛知県警は8日、遺体が元派遣社員・小谷川彩さん=当時(22)、職業・住所不詳=と判明したと発表し、現場近くに住む無職・万井(よろずい)大輝容疑者(24)=豊田市樹木町=を死体遺棄容疑で逮捕した。日本テレビなどが伝えた。
日本テレビによると、万井容疑者は今年2月9日ごろ、小谷川さんの遺体を自宅アパート近くの豊田市樹木町の畑に遺棄した疑いが持たれている。万井容疑者は調べに対し、容疑を認めている。
中日新聞によると、万井容疑者の自宅があるアパートは、小谷川さんの遺体が発見された畑の目の前にある。元勤務先の上司に付き添われ、7日、名古屋市にある愛知県警中村署に出頭した。万井容疑者が以前勤務していた派遣会社(豊田市)には、小谷川さんも登録しており、2人には面識があったという。
同紙や産経新聞によると、小谷川さんの実家は愛知県尾張旭市だが、昨年11月から、豊田市内のアパートで1人暮らしをしていた。しかし、昨年12月から豊田市内にある派遣先の会社に出勤せず、行方が分からなくなっていたという。
産経新聞によると、万井容疑者は長野県筑北村の出身で、ゴールデンウィーク中の今月3〜5日は実家に車で帰省していた。実家では事件の話は全くせず、仏壇に線香を上げ、豊田市に戻っていたという。万井容疑者の父親(62)は同紙の取材に応じ、「家族思いの優しい性格で、悪いことはしないと思っていた。本当に信じられない。遺族に謝らなければならない」と話している。
中日新聞によると、遺体は4月26日朝、畑の手入れのために訪れた近所の女性(74)が発見。畑と竹やぶの境界にあった溝に横たわっていた。目立った外傷はなく、フード付きの長袖シャツを着て、下半身は下着のみだった。毎日新聞によると、靴や靴下も履いておらず、白い布団袋のようなものが掛けられ、近くには赤と白のしま柄の衣服があった。しま柄の衣服については、中日新聞は動物キャラクターを模した着ぐるみタイプの衣服と伝えている。
産経新聞によると、万井容疑者は4月末に勤めていた派遣会社を退職していた。家族には「関連会社に移る」と説明していたという。
愛知県警は、小谷川さんが死亡した経緯についても万井容疑者が何らかの事情を知っているとみて、調べを進めている。