上智大学などを運営する学校法人上智学院(東京都千代田区)は1日、同じカトリック教会イエズス会系を経営母体とする五つの学校法人が合併し、新学校法人「上智学院」が誕生したことを発表した。
上智学院と合併したのは、栄光学園(神奈川県鎌倉市)、六甲学院(神戸市)、広島学院(広島市)、上智福岡(旧泰星学園:福岡市)の中等教育機関4法人で、昨年3月に合併契約書を締結し、10月15日に文部科学省より合併の認可を受けた。新法人は「上智学院」として東京都千代田区に法人本部を設置し、他の4法人は解散した。
新法人は、設置する各学校の円滑な運営を図るとともに、法人としての意思決定の明確化、迅速化を図っていこうと、理事会のもとに「高等教育常務会」と「中等教育常務会」を発足させた。今後は、それぞれの常務会が分掌する学校に関して、理事会で決定された事項を執行するとともに、学校運営に関する重要事項を理事会に提案する体制を取っていく。
また同法人によると、4つの中学高等学校は上智大学の附属学校とはせず、それぞれの教育方針を継続し、各校の歴史と地域性に配慮し、原則としてその経営は独立採算を維持する。イエズス会の教育理念を共有し、これまで発展を続けてきた学校は、今回の合併により大学教育と中学高等学校教育の、より緊密な連携のうちに「イエズス会教育の深化」「幅広い教育ネットワークの構築」「次世代の担い手の養成」を実現するために協働していくという。
なお、新法人の理事長として、旧学校法人上智学院理事長の高祖敏明氏が選任された。これまで上智学院は、高等教育機関として、上智大学、同短期大学部、上智社会福祉専門学校、聖母看護学校を運営していたが、付属の中学校・高校はなかった。同学院と合併した4法人は、いずれも中高一貫教育を行っている。