Skip to main content
2026年6月25日17時52分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 教育
戦後70年

戦中の「神社参拝」受諾 上智大学靖国神社事件を新たな視点で再考

2015年8月19日11時59分
  • ツイート
印刷
関連タグ:上智大学靖国神社神道カトリック教会
上智大学靖国神社事件(1932~33年)新たな視点で歴史を再考 +
上智大学の靖国神社参拝拒否について報じる当時の新聞(写真:上智大学史資料室提供)

戦前日本が軍国化していく中で、キリスト教への弾圧として知られる上智大学靖国神社事件。この事件は1932(昭和7)年、学校教練のために上智大学予科に配属されていた陸軍将校が、学生60人を引率して靖国神社を参拝した際、カトリック信者の学生3人が参拝を見送ったことが発端とされる。カトリック教会の神社に対する方針に大きな転換をもたらし、現在でもこの方針を越えたものは示されていないといわれるこの事件について、新たな研究が生まれている。

日本思想史が専門で、戦前の日本における宗教と神社、国家と神道の関係を研究する上智大学国際教養学部国際教養学科名誉教授のケイト・ワイルドマン・ナカイ氏は、この事件に関してはいまだに謎が残されていると指摘する。まず、学生3人が参拝を拒否したことについてだ。当時の学長だったヘルマン・ホフマン(1864〜1937)は、靖国神社、伊勢神宮、明治神宮も含めた神社参拝を禁じていたことを認めており、学生たちはこの言いつけに従った形となる。だが、もしそうであれば、靖国神社自体へ行くことを拒否してもよかったのではないか。学生たちは、禁止されている靖国神社に行ったにもかかわらず、なぜ参拝は拒否したのか。単に「信仰の固執から参拝を拒否した」ということだけでは捉えきれない、さまざまな要素が絡み合った複雑な出来事だったという。

ナカイ氏は、同事件に関して「上智大学・靖国神社事件から見る1930年代の国家神道研究」というテーマで研究に取り組んでおり、同事件に関する史料を網羅的に収集、翻刻(ほんこく)し、当時の社会状況も踏まえた上で、同事件を通して「明治憲法下の宗教と国家の関係」「国家神道の本質」「軍部の権力拡大の経過」といったことを明らかにしてきた。既に論文「Coming to Terms with “Reverence at Shrines”」(Kami Ways in Nationalist Territory、Bernhard Scheid 編、Austrian Academy of Sciences 出版、2013年に掲載)も発表している。この論文では、同事件が起こった経緯、事件発生後の大学、政府、陸軍、カトリック教会の対応、そして「神社参拝」受諾をめぐるそれぞれの思惑が明かされている。

上智大学靖国神社事件(1932~33年)新たな視点で歴史を再考 
上智大学史資料第3集(1928~48)。大学令により大学に昇進した上智大学の新校舎定礎式・落成式から始まり、東京大空襲による校舎焼失、そして、再建までの記録が記される。靖国神社事件も戦時中の貴重な記録として収められている。

まず、神社に対する政府の立場である。国家の中に神社をどう位置付けるかは、明治から大正、昭和初期にかけて論争されてきたという。法律上および行政管轄上、神社はキリスト教や仏教、教派神道とは異なる扱いだった。1900年以降になると、神社は神社局、キリスト教・仏教・教派神道の教団は宗教局の管轄下に置かれ、さらに1913年には、宗教局は内務省から文部省へと移管され、両者の境界はより明確になった。その頃になると1910年に起きた大逆事件の影響もあり、国民道徳の育成のために神社の崇敬や支援の奨励が持たれるようになっていく。神社が「宗教的か否か」については、学識者や宗教団体をはじめ、神社に関する事柄を検討するため1929年に設立された神社制度調査会の意見も一致しないまま、上智大学靖国神社事件が起こることになる。

神社参拝をめぐっては、これまでもカトリック信徒と政府関係者の間でたびたび問題が発生していた。しかし、同事件ほどの規模にはならなかった。同事件がこれほど複雑化し、注目を浴びたのは、やはり陸軍が直接関与したことにある。この間、1932年の5・15事件などで政府内の陸軍の力が増大しており、さらに日本軍兵士の戦死者が増えたことで、靖国神社など陸軍と直接関連する祭祀の場に関心が集まることになった。

上智大学靖国神社事件(1932~33年)新たな視点で歴史を再考 
1931年、校庭において軍事教練査閲を受ける予科1・2年生。中央に靖国神社事件時の配属将校、北原一視と、その左後ろにホフマン学長が写っている。(写真:上智大学史資料室提供)

ところで、学校教練は、1925年に陸軍と文部省の共同事業として始まっている。陸軍は中・高等教育機関に現役将校を配属将校として割り当て、基本的な軍事訓練を行った。この訓練を受けた学生は、将来徴兵されたとき、幹部候補生に任命され、数カ月の兵役を免除された。陸軍からすれば、このような訓練の参加は特権であり、一方学校側にとっては、配属将校の存在は、社会的地位を得るために欠かせないものとなった。この当時、在学中に軍事教練を受けた証明を持っていることは、卒業後の就職を有利なものとし、将校引き揚げによる教練中止は学校経営面の死活問題だった。陸軍の将校引き揚げの脅しは、国家秩序における陸軍の権威を示すものであった。文部省にとっても、大学令により上智大学を専門学校から大学に昇格させる許可を出した監督責任を問われるため、どうしても避けたいことだった。そのため、数カ月にわたって文部省は、上智大学、カトリック教会と内密に協力し、配属将校引き揚げの回避を模索した。

1932年秋、東京のカトリック指導部と文部省は、靖国神社の参拝が「教育の一手段」であり、神社で行われる行為は「純粋に世俗的で政治的なもの」と公的に示し、教会が神社参拝を受け入れられるようにする妥協案を捻出した。日本カトリック教会の東京大司教であったアレキシス・シャンボン(1875~1948)は9月22日付で靖国参拝に対して文部大臣鳩山一郎宛てに手紙で妥協案を提示し、9月30日付の文部次官粟屋謙からの返信で、「敬礼ハ愛国心ト忠誠トヲ現ハスモノ」との回答が届いた。とりあえずカトリック教会は、この返信をもって「靖国参拝は宗教行為ではない」と理解し、神社参拝を許容することで事態の収拾を図ろうとした。

上智大学靖国神社事件(1932~33年)新たな視点で歴史を再考 
1932年当時の上智大学全景(写真:上智大学史資料室提供)

しかし、10月になると事件がさまざまな新聞に大々的に取り上げられたことで、文部省とカトリック教会の間の妥協は波乱を引き起こすことになる。このことについては、陸軍が文部省とカトリック系学校に圧力をかける新たな戦術として自らメディアを利用することで、上智大学に対して陸軍が不満を抱き、配属将校引き揚げを要求していることを世間に広めることが目的だったのではないかという。いくら陸軍といえども、学校教練が文部省と軍部の両方が管轄するものであるからには、勝手に将校を引き揚げるわけにはいかなかったからだ。この間しびれを切らした陸軍は、配置換えと称して配属将校を移動させ、その後任者は「適任者人選中」としたのである。

その後、陸軍が最終的に、上智大学の教育方針を国体と一致するものとして受け入れ(その背景は定かでない)、1933年11月中旬に将校を再配属することで、ようやく上智大学靖国神社事件は終わりを迎えることになる。

ナカイ教授は、カトリック教会の神社参拝の受諾は、単に一方的に押し付けられたものではなく、相当程度、文部省と東京のカトリック教会代表による合作だったと主張する。そして、両者の協力はどちら側からも積極的なものではなかったかもしれないが、最終的には、陸軍からそれぞれの利益を守るという共通の必要性によって促されたとし、この事件に新たな見解を示している。

ナカイ教授の論文については、今後、日本語版が国学院大学デジタル・ミュージアムに掲載される予定。

関連タグ:上智大学靖国神社神道カトリック教会
  • ツイート

関連記事

  • 日本キリスト教協議会、敗戦70年に当たっての議長談話を発表

  • 安保関連法案、上智大学や東京基督教大学の教職員有志も反対声明

  • 立教学院展示館が初の企画展「戦時下、立教の日々」 戦後70年で

  • 戦争経験者に聞く戦後70年(3):「命を考えることが平和への第一歩」 聖ステパノ学園理事長 小川正夫さん

  • 日本ホーリネス教団、「戦争責任告白に基づく戦後70年の祈り」を発表

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • いのちの言葉聖書学校が卒業式、5人が新たな歩みへ

  • 韓国異端「新天地」の李萬熙総会長を逮捕、信者5万6千人を政党に強制入党させた疑い

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 「ヘブライズムが世界を救う」 ジーザス・ジューン・フェスティバル2026、東京・新宿で6月29日

  • 日ごとのパンを求めて―ジョージ・ミュラーの生涯(6)フランケの「孤児の家」

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 日本キリスト教海外医療協力会、新会長に柳澤理子氏 椙山女学園大学教授

  • ワールドミッションレポート(6月24日):メキシコ カルテルと伝統の狭間で─暴力に耐えるキリストの弟子たち

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 聖書原語への招き─霊に燃え、主に仕えるために(11)パン種の譬えで示す神の国 白畑司

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • いのちの言葉聖書学校が卒業式、5人が新たな歩みへ

  • 両足に6本の指持って生まれた少年、キリスト教慈善団体の医療支援受け走れるように

  • トランプ氏のイラン戦争と移民政策、福音派で評価二分 否定的回答が半数超える

  • 「世界難民の日」 ワールド・ビジョンが8カ国で調査 子ども守る「自立」の重要性訴え

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 米メガチャーチがビーチで洗礼式、過去最多の2552人が受洗

  • 着工140年以上のサグラダ・ファミリア、主塔「イエスの塔」完成 NHKが特番

  • 「聴く隣人のいるところ」 キリスト教高校の1年間が伝える「自由とは何か」問う大切さ

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 神学の限界と突破口(4)第1章 主な論争と解決─「贖罪論」の論争 三谷和司

  • 戦後のキリスト教ブームの中で生まれた口語訳聖書、今にも生きるキリシタン時代の聖書訳

  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • 聖書全巻の翻訳、800言語で完成 飛躍的に加速する聖書翻訳

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

編集部のおすすめ

  • 「今、求められているのは、慰めと癒やし」 能登被災者支援でゴスペルコンサート

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 芥川賞作家の鈴木結生氏らが登壇、青山学院大学で口語訳聖書刊行70周年記念講演会

  • 四国の教会が教団教派超え一致 「愛と希望の祭典・四国」閉幕、延べ3千人以上が参加

  • 「あなたの人生は、必ずよみがえる」 第63回首都圏イースターのつどい

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.