広島県東広島市の山陽自動車道下り線の八本松トンネルで17日朝に発生し、2人が死亡、67人が負傷した多重事故で、広島県警は18日、トンネル内の渋滞の列に突っ込んだとみられる運送会社「ゴーイチマルエキスライン」(埼玉県川口市)のトラックを運転していた皆見成導(みなみ・なりみち)容疑者(33)を、自動車運転処罰法違反(過失致死)容疑で逮捕した。朝日新聞などが伝えた。
同紙や産経新聞によると、事故が発生したのは17日午前7時半ごろで、当時はその約3時間前に約5キロ先で起きた別の事故で渋滞が発生。トンネル内には事故車両12台を含め、53台の車があったという。
皆見容疑者が運転するトラックは、トンネル内で渋滞の列に突っ込み、車数台に相次いで衝突。現場は片側2車線で、皆見容疑者のトラックは、走行車線の渋滞の列にいたとみられる1台の乗用車を押し出すようにして、50メートル以上走行。前方の別のトラックとの間で、この乗用車を挟むような形で停止したとみられている。この3台は全焼し、乗用車からは身元不明の焼死体が発見された。
17日の実況見分では、皆見容疑者が運転するトラックが渋滞の列に突っ込んだとみられる場所に、急ブレーキの痕はなかったという。
皆見容疑者は容疑を認めているが、産経新聞によると、ゴーイチマルエキスラインには「前の車が急ブレーキを踏んで、減速したが間に合わずにぶつかった」と説明しているという。一方、国土交通省は18日にも、ゴーイチマルエキスラインを特別監査する予定。
皆見容疑者のトラックは、引越しの荷物を積んで、神奈川県から福岡県まで向かっている途中だった。