先月29日から韓国ソウルで開催されていた世界福音同盟(WEA)の年次国際会議「国際リーダーシップ・フォーラム」(ILF)が4日、声明「WEAから韓国・北朝鮮の全ての人々への親善メッセージ」を採択して閉幕した。世界40カ国から、WEAの指導部や各地域・各国の福音同盟の代表、WEA加盟団体の指導者ら合わせて約90人が参加し、今日のキリスト教徒が直面するさまざまな課題について話し合った。また、参加者は韓国と北朝鮮の軍事境界線に接する非武装中立地帯も訪れ、両国の和解と統一のために祈りをささげた。
今年のILFのテーマは「福音の同労者:主の教会を建て上げる」。フィリピの信徒への手紙4章4~6節を主題聖句にし、各地域・各国の福音同盟やWEAの加盟団体によって既に形成されている協力モデルの発表や、発表を受けての話し合い、▼聖書の約束、▼伝道・弟子訓練・健康的な教会・宣教的生活、▼女性・少女たちと教会、▼迫害に対するキリスト的応答、▼同信仰間・異信仰間における関係――などのテーマに分かれてのグループ討論が行われた。
WEAのエフライム・テンデロ総主事は5日間にわたるILFを終えて、「今年のILFは、われわれWEAにとって、さまざまな理由で非常に戦略的なものでした」とコメント。WEAのさまざまな機関や加盟団体が集まり互いに力付けられただけではなく、WEAと韓国キリスト教界との関係がより強固なものになったと評価した。
今年のILFは、WEAの加盟団体である韓国基督教総連合会(CCK)がホスト役を務め、開会式には韓国キリスト教界の指導者やゲストら約700人が参加。韓国のさまざまな教団・教派の代表に加え、韓国の金鍾徳(キム・ジョンドク)文化体育観光大臣らも出席した。3日には、朴槿恵(パク・クネ)大統領も参加して行われた韓国国家朝餐祈祷会にWEAの代表団も参加し、テンデロ総主事がWEAを代表して祈りをささげた。
WEAは2014年、韓国で総会を開催することを計画していたが、韓国キリスト教界の混乱から中止となった経緯がある。テンデロ総主事は14年の総会中止にも言及し、「今回の訪韓により、われわれの加盟団体であるCCK、また韓国教会の指導者らと再び関係を持つことができた」と述べ、「大宣教命令のために今後も共に働いていくことを期待している」と語った。
非武装中立地帯では、WEA国際評議会のヌダバ・マザバネ議長が参加者の祈りを導き、朝鮮半島の平和と両国の統一のために祈りをささげた。最終日に採択した声明では、「イエスがわれわれに託した和解の精神によって、われわれは韓国と北朝鮮の全ての人々のために、また両国政府の指導者のために、この半島の隅々にまで平和と調和があるように祈る」などとし、両国の和解と統一のための祈りに献身することを表明した。