世界福音同盟(WEA)は、2日から3日間にわたって行われたグローバル・クリスチャン・フォーラム(GCF)国際会議での同総主事、エフライム・テンデロ監督の発言を、13日に公式サイトで公開した。国際会議は、「差別・迫害・殉教:共にキリストに従う」をテーマに、アルバニアの首都ティラナで開かれた。
テンデロ総主事は会議の中で、「キリスト教徒として私たちは、犯罪者として十字架につけられた主に従う。イエスがもたらした福音は、彼の時代の世俗と宗教の両方の権力者たちにとって脅威であったから、イエスに従う者たちに迫害の起きる可能性があることは、驚くべきことではない。とはいえ、私たちが集まるのは、福音が迫害にノーと言っているからだ」と述べた。
GCFは、教皇庁キリスト教一致推進評議会、ペンテコステ世界親交会、世界教会協議会(WCC)、WEAなど、世界のさまざまな教会やキリスト教団体の代表者が、対等な立場で相互の尊重を育み、共通の課題に取り組む運動。事務局はフランスのストラスブールにあり、ラリー・ミラー牧師・博士が常勤で幹事を務めている。今回の会議もそれらの団体の支持を得て、GCFの主導によって行われた。
テンデロ総主事は、「私たちの信仰共同体のうちの幾つかを分け隔てている違いがあるにもかかわらず、世界中における昨今の危機が要求しているのは、迫害や殉教に苦しむ人々のために、私たちが協力するということだ」と語った。
会議の終わりには、WEAを代表して同会議の成果である会議メッセージに言及し、「お互いを迫害し合ったことの悔い改めが、私たちのメッセージの一部となっていてうれしい。これが起きたところならどこでも、記憶の癒やしが大切だと、私たちは考える。WEAに加盟する牧師と諸教会に対し、これを地域レベルで行うよう促すとともに、これを国全体や近隣諸国を含めたレベル、さらに世界レベルでどう促進していくのか、この会議の背景にある4つの組織と協議していく」と話した。
テンデロ総主事は、「私たちが非常にはっきりと申し上げたいのは、この会議で始まった活動を継続したいということだ。4つの組織は共に活動する必要があるし、世界中の全てのキリスト教会は差別や迫害、そして殉教の問題において、現在進行形で共に活動しなくてはならない。それには、私たちの間にある幾つかの難しい問題に取り組むために、深層を掘り下げていくことが含まれる」と述べた。
テンデロ総主事によると、WEAは信教の自由に力点を置きつつ、他のキリスト教共同体への使節の任命を開始するという。その目的の一つは、歴史からの懐疑を克服しつつ、それらの共同体との関係を改善するため。もう一つは、各国政府に対処する場合など、差別と迫害に対し、協力して対応するためだ。
また、WEA信教の自由委員会と、とりわけ信教の自由のための国際研究所に対し、福音派以外のクリスチャンや教会、研究・教育機関との協力を強化するよう求めると述べた。
テンデロ総主事は、「クリスチャンと教会同士の連帯の形として、まず祈りというものが常になければならない」と語り、「従ってWEAは、11月に『迫害下にある教会のための国際祈祷日』の運動を強化し、(迫害に)苦しんでいる教会も苦しんでいない教会も同じようにそれに参加するよう、世界中にあるできるだけ多くの諸教会を招く」と述べた。この祈祷運動は、日本では11月8日、地域によっては1日に既に行われている。
テンデロ総主事は、「どの会衆も年に一度は、苦しみを受けているキリストにある姉妹兄弟たちのために日曜日をとっておくべきだ」と結んだ。