世界のさまざまな教派のクリスチャンが出会いを広げ深める世界組織である「グローバル・クリスチャン・フォーラム」(GCF)は、11月2日から3日間にわたって、世界会議をアルバニアの首都ティラナで開催する。主題は「差別・迫害・殉教:共にキリストに従う」。GCFの2015年版ニュース第2号が伝えた。
この会議は、現在迫害されている教会の指導者たちと、彼らに寄り添う責務を担っている教会や世界的なキリスト教組織の指導者たちを集めて行われる。GCFが、ローマ・カトリック教会の教皇庁キリスト教一致推進評議会やペンテコステ世界親交会(PWF)、世界教会協議会(WCC)、世界福音同盟(WEA)を含む幾つかの教会やキリスト教組織と共に企画している。
ティラナがこの会議の開催地に選ばれたのは、アルバニアが旧共産主義体制の下で長い間抑圧を経験したことによる。当時、キリスト教とイスラム教を含む全ての宗教団体が信教の自由を縮小され、指導者が逮捕され、時には殉教し、財産が破壊され没収されたという。
この会議の参加者のうち少なくとも半分は、現在迫害を受け、暴力にさらされている状況にある教会から来るよう計画しているという。また、地域的には、世界の北側だけではなく、アジアやアフリカ、中南米、中東の代表者らが参加するという。
GCFによると、この会議ではGCF自らの経験に従い、参加者は、しばしば「伝統的 / エキュメニカル」と呼ばれる教会と、「福音派 / ペンテコステ派」の教会から、それぞれ50パーセントずつというバランスを取るという。
この会議では、グループ別の議論と全体会議の両方で、迫害についての体験や認識の分かち合いの時間が持たれる。また、異なる考え方の交換や、発題を通じたより幅広い視点を聞く時間もあるという。さらに、神学的省察や礼拝を共にする時もあり、3日間の日程が終わるまでには、主題や会議で交わされた洞察がまとめられ、次の歩みに対する約束がなされる。
「迫害を体験している人たちに耳を傾ける時間を持つにあたって、キリスト教徒の迫害が持つ複雑さをより良く理解することが望まれる」と、GCFは述べている。
一方、GCFは、「重要なのは、差別や迫害、暴力という問題群に対処するための“グローバルな計画”を考案することが、この会議の目的なのではないということだ」と説明している。ただ、主催者としては、差別や迫害、暴力という状況に、今直面している共同体や個人が、より幅広いキリストの体の支えを感じ取ってもらえるよう祈っているという。
「このダイナミックな出会いを通じて、教会や教会組織の指導者たちがより良く学び、共にかつ各自の場で対応することができるようになるだろう」と、GCFは期待を示している。
一方、この会議の準備の一環として、迫害に関する言葉をまとめた「用語集」の調査が進められている。これは、言葉遣いが人々の理解や問題への対応に影響を及ぼすからだという。また同様に、地球規模の差別や迫害、殉教の現状を地図で表すため、データの収集も行われている。