プロテスタント福音派の世界組織である世界福音同盟(WEA)が、公式サイトで新刊本『Christ-Centered Generosity: Global Perspectives on the Biblical Call to a Generous Life(キリスト中心の寛大さ―寛大な生き方への聖書的な招きに関する地球規模の視点)』を紹介している。
「残念ながら、寛大さはいまだに『西洋が世界の他の地域にお金をあげること』であるとか、新しい教会堂のためのお金を集める理由であると誤解されることが多い」。そう述べるのは、WEAと諸教会・キリスト教諸団体による運動「グローバル・ジェネロシティー・ネットワーク」(GGN)のコーディネーターであるサス・コンラディエ博士と、本書を編集したキングダム・ライフ出版社長のスコット・ロディン博士だ。
「しかし、パウロはコリントの信徒への手紙二9章7節で、『各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めたとおりにしなさい。喜んで与える人を神は愛してくださるからです』と述べています。聖書に明らかなのは、寛大さと与えることは、イエス・キリストに従う一人ひとりの生き方の一部であるべきだということです」と両博士は述べ、これが本書の中心的なメッセージであるとしている。
両博士によると、神の管理人としての役割、神への明け渡し、また寛大さというキリストの招きを本書で伝えようと、22カ国33人のキリスト教指導者が協力したという。
米国、インド、ケニア、フランス、ブラジルからの5人の執筆者が中心的に筆を取り、加えて、スモールグループ用の設問のほか、ビジネス関係者や牧師、宣教団体・ネットワーク機関の指導者、神学者、専門家、学生、またガーナの2人の子どもたちの物語や省察が収められているという。さらに、WEA副総主事のウィルフ・ガッサー博士による、寛大に関する物語も含まれている。
本書は6部構成で、最初の5部はそれぞれ、キリストを中心とした寛大さというテーマについての神学的な考察から始まり、個々人の省察やスモールグループのための設問がある。その後に、寛大さについての3つの物語と1つの省察が続き、この重要なトピックをさらに掘り下げるものとなっている。
そして、最後の部は「7日間の寛大さの挑戦」というもので、どのクリスチャンもこの挑戦を受けるようにと両博士は祈っているという。この挑戦は、本書全体にわたって分かち合われたことを、実践することを読者に促すものとなっている。
本書に収録されているいくつかの物語は、寛大さを実践して得られた驚くべき結果について証しする。例えば、競争し合っていたメキシコの教会が、寛大さをもって行動する責務を負った結果、一緒になって和解することで起こったこと。ガーナの学校の教師による犠牲的な寛大さの影響。障がいのある中国出身の子どもたちを養子にした米国人の家族。自分の唯一の財産である木を、寛大な献身的行いによって自分の教会に寄付した中国人女性。
「まとめて言えば、これらの省察や物語によって、世界中のキリストの体が、寛大さという変革の力を生き抜くよう促されることを願っている」と両博士は言う。そして、究極的には読者に次のことが求められるという。
- 喜んで与える者として生きるにはどうすればよいかを学ぶこと
- 喜びをもって与えることを実践すること
- 喜んで与える者として生きるよう他の人たちに教えること
グローバル・ジェネロシティー・ネットワークによると、本書は4月中に発売される予定。価格は16ドル(約1900円)で、キングダム・ライフ出版のウェブサイトで予約注文(4月中旬発送)できる。
もっとも、本書はまだ刊行されておらず、日本語訳はまだない。本書の日本語訳出版のために、寛大な翻訳者と出版社が現れることを期待したい。