共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプ氏が教皇フランシスコのメキシコ国境訪問を批判したことを受け、バチカンは教皇が移民問題のために立ち上がると述べた。
FOXニュースによると、バチカンのフェデリコ・ロンバルディ報道官は、「教皇はいつも世界中の移民問題や、その問題に対して人道的方法で解決する義務、また尊厳と平和のある人生を求めて他の国から来た人々を迎えることについて話しています」と述べた。
米国への不法移民の強制送還について何度も語っているトランプ氏は、教皇フランシスコが「開放的なメキシコ国境の危険」を理解していないと主張した。「メキシコは財を成したいがために国境を現在のようにしておきたいのです。だから、教皇に国境を訪問させたのです。私たちは負けかけています」とトランプ氏は主張した。
教皇フランシスコの6日間の司牧訪問では、米国との国境への訪問が含まれていた。教皇はメキシコの数万人の若者に対して広くメッセージを送っていた。ローマ・カトリック教会は、その多くがカトリックの信者であるメキシコのキリスト教徒に、彼らの希望は物質ではなくイエス・キリストにあると語った。
「あなたはメキシコの富であり、教会の富です。友人や親族が薬物取引を始めたり、薬物中毒になったり、犯罪組織に取り込まれていなくなっていく中で、あなた自身の価値を感じることの難しいときがあることを、私は理解しています」と教皇フランシスコはメキシコの若者に語った。
「尊厳ある仕事に就く機会がなく、教育を受けたり前進したりする可能性もないとき、あなたの権利が踏みにじられていると感じ、極端な状況に陥るとき、この国の富を感じることは難しいものです。あなたが若いからといって、誰かの自己中心的な目的のために搾取されたり、偽りの約束にだまされてしまったとき、その環境を受け入れることは困難です」
今月、教皇フランシスコとトランプ氏の双方が、2016年度のノーベル平和賞受賞者候補にノミネートされていると一部で報じられた。
オスロにある国際平和研究所(Peace Research Institute)のクリスティアン・ベルク・ハープウィケン所長は、トランプ氏のノミネートの推薦状には、不動産王のトランプ氏が「イスラム過激派、過激派組織『イスラム国』(IS)、イランの核保持や中国共産党に対する抑止力」として書かれていたと語った。
ハープウィケン氏は誰がトランプ氏を推薦したかを明らかにしなかったが、「私は推薦した方の身元を明らかにしないことを約束しています。しかし、その方が推薦状を直接私に見せ、推薦する資格があることを明かしたので、その推薦を有効としたということはお話しできます」と語った。