過激派組織「イスラム国」(IS)によって愛する故郷を失ったイラク難民の少女から、力強いクリスマスメッセージが届いた。
ABCニュースとのインタビューでミリアムは、自分や家族をはじめ、数百万人を故郷から追いやったISの戦闘員たちを赦(ゆる)さないならば、状況はもっと悪くなるだろうと語った。ミリアムは、戦闘員たちを赦しはしたが、怒っていることが一つあると話した。
「私は、家やお金を失ったことには怒っていません。そのようなことは気にしていません。私が気にしているのは、故郷がなくなってしまったことです。私たちの教会はなくなりました。多くの人は赦すでしょうが、それよりもっと多くの人が赦さないでしょう」
「私たちが赦さなければ、悪い結果となります。神様が今、この経験を通して、私たちを試しておられます。『自分が大切にしている故郷から、あなたたちは離れることになるだろう』と神様はおっしゃいました」
「しかし、神様は私たちに『あなたたちを追い出した彼らを赦すのか、それとも赦さないのかを見たい』と語られます」
「彼らを赦した人々にとっては、神様の祝福はもっと大きなものになるでしょう。なぜならイエス様は、互いに赦し合いなさい、ご自身がしたように愛し合いなさいと私たちに命じられたからです」
「私たちが学ぶべきこと、それは『赦し』です」
ミリアムは、米国共和党の大統領候補者が、ミリアムのような難民に対して見せる敵意とは全く違う、「赦し」のメッセージを語った。共和党の指名選で一歩リードしているドナルド・トランプ氏は、全てのイスラム教徒の米国入国を一時差し止めるよう呼び掛けている。
最後にミリアムは、「多くのものを失った今、人生の夢や希望は何か」との問いに、こう答えた。
「私の人生の希望は、戦争のないことです」
「戦争がなければ、愛があります。愛がなければ、正義もありません。そして、正義こそが人を満足させるものです」