プロテスタントとカトリックの団体の連合体が、北アフリカと中東からの難民のために移動と一体化のためのサービスを提供することで、イタリア政府と合意に達した。世界教会協議会(WCC)が17日、公式サイトで伝えた。
同国政府は、居を定める権利を確保するために、人道上のビザを発給する。ただ、このビザは欧州連合(EU)の他国への通過を認めるものではない。一方、キリスト教団体がイタリアへの航空券とともに、宿泊設備、庇護の手続きに対する支援、教育の機会、そしてイタリア語講座を提供する。
空路による輸送となり、地中海を渡る危険で不法な通行に代わるものを提供することになる。カトリック信徒の運動である聖エジディオ共同体のマルコ・インパグリアッツォ氏はこの通行について、2015年に死亡ないし行方不明になった3700人にも上る移住者たちにとっての「死の旅」と表現した。
イタリア・プロテスタント教会連盟(FCEI)と共に、聖エジディオ共同体は間もなくモロッコとレバノンに支援事務所を開設する。将来は、エチオピアに3つ目の事務所を開設する可能性もあるという。イタリアに最初に到着するのは、2016年1月末となる見込み。
WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トヴェイト牧師・博士は、今週初めにイタリアの宗教指導者たちと会談し、この計画のための予定について議論した。
「この見事な合意は、世界の多くの所が直面している人道上の危機に取り組む上で、欠かせない初めの一歩だ」とトヴェイト総幹事は語った。「それは教会や、信仰に基づく関連団体、各国政府、そして国際社会が、人類の利益のうちに共に行動するお手本である。それは全ての人々の尊厳、全ての人々の安全、そして地上における正義と平和の実現という私たち共通の利益に対する深い敬意をもって着手された」
聖エジディオ共同体とFCEIが主導するキリスト教諸団体は、この初期の取り組みに120万ユーロ(約1億6千万円)を寄付する。イタリア政府は直接お金を提供することはないものの、入国と居住のために必要なビザを発給することに同意した。
「このような計画はヨーロッパでこれが初めてだ」と、FCEI会長のルカ・マリア・ネグロ氏は述べた。「他の国々や教会もこれに倣ってくれることを私たちは望む。私たちは、この企画が持つエキュメニカルな性格や、エキュメニカル団体や幾つかの姉妹教会から私たちが受けた支援と励ましについて、とりわけ誇りに思っている」
ネグロ氏は、「これらの人道的な通路を通じて、約千人の難民が向こう何カ月かのうちに到着する見込みだ。この合意によって脆弱な人々がイタリアに合法的に入国し、ここに庇護を求めることができるようになることに、私たちは感激している」と説明した。