共和党大統領候補者のドナルド・トランプ氏は24日、アイオワ州にあるリベラル寄りの主流派教会の礼拝に出席した。シリアとメキシコからの難民の世話をすることに関するこの日の説教についてトランプ氏は、「おそらく私のためだった」と認めた。
AP通信によると、マスカティン第一長老教会牧師のパメラ・サターニア博士は24日、「今日、イエスは私たちに、彼が教会の外にいる人たちのために来たことを教えています」と語った。
サターニア博士は、「最も愛されていない人々、最も差別されている人々、私たちの共同体から、また世界から最も忘れられている人々」の癒やしと受容を呼び掛け、「シリア難民」と「メキシコからの移民」を引き合いに出した。
トランプ氏は礼拝の後、この説教の一部について、「私に充てられたものかは分かりません・・・おそらくは(そうだ)」と語った。大富豪のビジネスマンでもあるトランプ氏は、国境の保安を厳しくすることを呼び掛けており、もし自分が大統領となった場合、メキシコからの不法移民が米国に流入しないよう壁を建築することを公約している。彼はまた、全てのイスラム教徒に対し、米国への入国を一時的に禁止する措置を呼び掛けており、政治的左派からも右派からも批判を浴びている。
クリスチャン・メディア・コーポレーション・インターナショナル(CMCI)理事長のジェフ・タニクリフ博士は当時、トランプ氏の観点は、難民に関する人道危機に対してキリスト教徒がとるべき応答にそぐわないと語った。タニクリフ博士は昨年12月、「そのような排外的で国粋主義的な態度を示すことは、隣人を愛するという聖書のコンセプトと直接的に矛盾します」と話した。
「世界中のイスラム教徒の人々は、トランプ氏の観点がキリスト教徒の大多数派を代表しているわけではないことを知る必要があります。私たちは壁を建てることではなく、橋を架けることを考えます。これがイエスの方法です。私たちはイエスに従う者として、彼の愛を世界に照らすために心を一致させることができます」
トランプ氏は、大統領予備選挙前のキャンペーン、特に先週のリバティ大学での演説において、福音派からの支持を集めようとしていた。しかし、数人の学生から、演説内容の間違い、例えば「Second Corinthians(コリントの信徒への手紙第二)」を「Two Corinthians」と呼んだことなどについて批判を受けた。
トランプ氏は演説で、「私たちはキリスト教を守るつもりです。私はそう言うことができます。政治的に正しくある必要はありません・・・『Two Corinthians(コリントの信徒への手紙第二)』3章17節(※)にあるようなこうした状況を、あなたは良しとしますか?」と述べた。(※正しくは、コリントの信徒への手紙「第一」3章17節、「神の神殿を壊す者がいれば、神はその人を滅ばされるでしょう。神の神殿は聖なるものだからです。あなたがたはその神殿なのです」。)
宗教に関する政治ニュースなどを扱うサイト「Get Religion」や、他の情報筋が指摘する通り、トランプ氏の福音派へのアプローチでの論点になっていることは、24日の礼拝に選んだ教会だ。 政治記者たちは、これをアイオワ州の福音派へのアプローチとして取り上げた。しかし、マスカティン第一長老教会は福音派教会ではなく、同性婚を支持しているリベラル寄り主流派のアメリカ合衆国長老教会(PC[USA])に属している。
トランプ氏はそのキャンペーンで、自分が信仰を持っていて、長老派に属していると主張している。「ご覧ください、私は言うまでもなく、長老派の信者です。信じられますか? 誰も私が長老派だと信じません。私は長老派です。私は長老派です。私は長老派です」。トランプ氏は昨年10月、フロリダ州ジャクソンビルでの集会でそう語った。
彼はまた、セブンスデー・アドベンチストの信者であるベン・カーソン博士など、ライバルである他の共和党員の信仰と比較した。トランプ氏は自らの信仰について、「ひいき目なしで見て、これはごく中庸です」と語った。「セブンスデー・アドベンチストについては、私は何も知らないという意味です。本当に何も知りません」と、トランプ氏はカーソン博士の支持母体である教派について語った。