コスタリカで立ち往生させられていた8000人のキューバ難民をめぐる危機は、27日のアンジェラスの祈りの後、ローマ教皇フランシスコからの訴えが中米諸国の会議へとつながり、それが人道的な解決策に達したのを受けて解決された。バチカン放送局英語版が29日に報じた。
このキューバ難民の多くは、ハバナからエクアドルへと飛行機で行き、続けてコロンビアやパナマを通ってコスタリカへと到達していた。しかし、その時、彼らは立ち往生させられた。難民の数が非常に多くて圧倒され、資金が限界に達したとして、役人が通過ビザの発給を止めたためだ。
「この危機の悪化を受けて、その行き詰まりを緩和するために、常識を伴ったわずかな憐れみと人間性が必要とされていた」と、バチカン放送局は伝えた。
27日、ローマ教皇フランシスコは、「私は今中米で困難な状況にある数多くのキューバ移民に思いをはせています。彼らの多くは人身売買の犠牲者です。私はこの地域の国々に対し、寛容さをもって全ての必要な取り組みを見直し、この人道的なドラマに迅速な解決策を見つけるよう求めます」と訴えた。
「信仰は山を動かすとともにそれを横切った」と、同放送局は記した。
続いて行われたのがグアテマラの首都グアテマラ市での会議だった。コスタリカ、エルサルバドル、メキシコ、パナマ、ホンジュラス、ベリーズ、グアテマラの外相や幹部たち、そして国際移住機関が、ある合意に達したのだった。
コスタリカへ合法的に移動してきたキューバの移民は、エルサルバドルへ飛行機で運ばれ、メキシコへ、それから続けて米国へバスで運ばれ、米国が彼らを受け入れるという。
これは「ウェット・フット、ドライ・フット」と呼ばれる、難民到着政策によって達成される。すなわち、海路からではなく陸路から米国の領土に上陸した人たちは、居住を申請できるというもの。
慎重なコスタリカは、これは例外であって規則とはならないと強調したという。
バチカン放送局によると、メキシコや幾つかの中米諸国では、共産政権下の島国であるキューバと米国の関係改善によって、キューバ人に対する米国の現在の庇護政策がもうじき終わる可能性が出てきたことから、キューバからの移民が急増しているという。
同放送局によると、ニカラグア政府は、米国がキューバ移民を米国まで空輸することを提案した。その一方で、コスタリカ政府はベリーズやグアテマラと話し合って、これらの移民に安全な通過を認めてメキシコへ到達できるようにそれらの国々を説得しようとしていた。