いわゆる「ブラックバイト」問題をめぐって、神奈川県の相模原労働基準監督署は、首都圏で約200の学習塾を運営する「湘南ゼミナール」(横浜市)に、授業準備などにかかった時間に対し賃金を払わなかったのは労働基準法に違反するとして、是正勧告を行った。NHKなどが伝えた。
NHKやFNNによると、相模原労働基準監督署は、湘南ゼミナールが運営する神奈川県の学習塾で講師として働いていた大学1年の男子学生(19)について、昨年6月以降、授業準備などの授業時間外の労働や深夜割増分賃金など6カ月間で計約22万円が支払われていないと認めた。その上で、湘南ゼミナールに対しては、未払い賃金を男子学生に支払うよう指導した。
FNNによると、男子学生は、ある日には授業前の準備などで授業時間外も働き、休憩時間も生徒の送迎などで休むができず、実質1日7時間働いたが、授業時間のみの賃金しか支払われなかったという。
8日には、労働組合「個別指導塾ユニオン」が記者会見を開き、男子学生は「受け入れながらも、働いてしまっているという状況に、すごく疑問を感じて」(FNN)、「授業時間外の賃金が支払われない状況を改善してほしい」(NHK)などと話した。
湘南ゼミナールは、是正勧告を真摯(しんし)に受け止め、誠実に対応していきたいなどとコメントした。