ケニアでイスラム過激派とみられる集団によってバスが襲撃された際、イスラム教徒がキリスト教徒から離されることを拒否したため、キリスト教徒は九死に一生を得た。
ケニアのニュースサイト「デイリー・ネイション」によると、21日朝、ナイロビからマンデラに向かうバスが過激派組織「アルシャバブ」に襲撃され、2人が死亡、3人が負傷した。
郡の副長官ジュリウス・オティエノ氏は、襲撃犯が乗客にバスから降りるよう命じ、イスラム教徒と非イスラム教徒に分けようとしたと語った。「彼らは、クリスチャンとそうでない人を特定しようとしました。ノンクリスチャンに、バスに戻るよう命じました」
マンデラ県のアリ・ロバ知事は、乗客が分離されることを拒否し、皆殺しにするか立ち去るよう襲撃犯に迫ったと述べた。「戦闘員は近隣の村の住民からの報復を恐れ、急いで去らざるを得なくなりました」
「地域住民は、アルシャバブに、イスラム教徒もキリスト教徒も皆殺しにするか、それとも何もせず立ち去るかの選択を迫り、愛国心と互いへの帰属意識を示しました」
ロバ知事は、地域住民は「バスにいる非イスラム教徒を守ろうとして」負傷したと述べた。
ロバ知事によると、アルシャバブの戦闘員は、6から15のグループに分かれてケニアに入国しており、地域で目撃した最大のグループには戦闘員が30人いるという。
彼らは村民を過激派に引き込もうとしたが、成功しなかったとロバ知事は語った。
ケニアで起きたアルシャバブによる最大の襲撃事件は、4月2日に発生したガリッサ大学の学生の虐殺事件で、銃撃犯4人を含む152人が死亡した。生存者は、イスラム教徒でない学生を捜して教室や寮を闊歩(かっぽ)し、慈悲なく殺害していった襲撃者の姿を証言している。
学生のルーベン・ムワヴィタさん(21)は、女子学生3人が慈悲を求めて銃撃犯の前にひざまずいている姿を見かけたと語った。
「彼女たちの過ちは、『イエス様、どうか救ってください』と言ったことです。それを言った直後に射殺されたからです」とムワヴィタさんは述べた。