ローマ教皇庁は17日、教皇フランシスコが同日午後、マザー・テレサ(1910〜97)による奇跡を承認したと発表した。マザー・テレサは既に1つの奇跡が認定され「福者」に列せられており、今回2つ目となる奇跡が認められたことで、来年9月にも「聖人」に列せられる見通しだという。
カトリック系日刊紙「アッベニーレ」によると、今回奇跡として認められたのは、複数の脳腫瘍を患っていた現在42歳のブラジル人男性の癒やしのために家族がマザー・テレサに祈ったところ、2008年12月9日に奇跡的に回復したというもの。
同紙によると、列聖式は「いつくしみの特別聖年」(今年12月8日〜来年11月20日)内の来年9月4日に行われる可能性が高く、正式な日程は、枢機卿の任命を行う次回の教皇枢密会議で発表されるという。マザー・テレサが亡くなった日は9月5日で、来年は前日9月4日がそれに最も近い日曜日。
マザー・テレサは、その死後1年の1998年、腹部に大きな腫瘍を患ったインド人女性がマザー・テレサに願いをかけたところ、腫瘍が一晩できれいになくなる出来事があり、これが1つ目の奇跡と認定されている。
この1つ目の奇跡が認定されたことなどから、2003年10月、死後6年という異例の早さで、当時の教皇ヨハネ・パウロ2世から列福され、聖人に次ぐ福者に列せられた。来年9月に列聖されれば、死後19年で聖人に列せられることになる。