インド東部のコルカタにある女子修道会「神の愛の宣教者会」を創立した福者マザー・テレサの最初の後継者、シスター・ニルマラ・ジョシー同会前総長が、23日の夜半過ぎに心臓疾患などのため帰天した。81歳だった。バチカン放送局やインド・クリスチャントゥデイなどが伝えた。
同会の役員によると、シスター・ニルマラはこの2、3日間、体調がすぐれなかったという。また、インドの英字宗教紙「マターズ・インディア」は同日、シスター・ニルマラは腎不全やその他の病気を併発していたと伝えた。医師たちから透析を受けるよう助言されていたが、最期の時間を他のシスターたちと過ごすことを選んだという。バチカン放送局などによると、病院でイエズス会司祭によるミサが行われた後、シスター・ニルマラは19日に退院していた。
「シスター・ニルマラの生涯は奉仕にささげられ、貧しい人たちや恵まれない人たちを大切にした。彼女の逝去で悲しんでいる。彼女の魂が安らかに眠らんことを」と、インドのナレンドラ・モディ首相はツイッターでコメントした。
また、コルカタがある西ベンガル州のママタ・バネルジー州首相もツイッターで、「マザー・テレサの後に神の愛の宣教者会の責任者を務めたシスター・ニルマラの逝去で悲しんでいる。コルカタと世界は彼女がいないことを惜しむだろう」とコメントした。
シスター・ニルマラ・ジョシーは1934年7月23日、インド東部の都市ランチで、ネパール出身のバラモンの兵士のもとに生まれた。両親はヒンズー教徒であったが、シスター・ニルマラは西ベンガル州に隣接するビハール州の州都パトナでキリスト教の宣教師たちによる教育を受けた。その後、マザー・テレサに初めて出会い、活動を共にしたいと願い出た。そしてカトリック信者となり、17歳で神の愛の宣教者会に加わった。
97年3月、マザー・テレサが亡くなる約6カ月前、同会の総長に選出された。2009年3月、コルカタで開かれた総会で、シスター・メアリー・プレマがシスター・ニルマラの後継者に選ばれた。
インド政府は09年、同国に対するシスター・ニルマラの奉仕をたたえて、インド国民に贈られる2番目に格式がある勲章であるバドマ・ビブーシャン勲章をシスター・ニルマラに授与した。
シスター・ニルマラの遺体は、コルカタのシアルダーにある聖ヨハネ教会に安置され、24日にコルカタ郊外のテングラ地区にあるマザー・ハウスに移される。葬儀は現地時間の同日午後4時から同会本部で行われる。