日本スポーツ振興センター(JSC)は14日、2020年東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場について、応募があった2事業者からの提案が、コストや工期を含めた要求水準を満たしていることを確認したとして、2事業者による応募案を公表した。
「A者の技術提案書」は、「外苑の緑と水とスポーツのネットワークをつなぐスタジアム」としてデザイン。最高高さを50メートル以下に抑え、日本の気候風土にあった深い軒庇(のきひさし)を使うことで日射を遮るデザインになっている。また、360度連続したすり鉢状の3層スタンド構成により、安全と見やすさ、臨場感を共存させるとしている。
一方、「B者の技術提案書」は、地域防災に役立ち、地球全体の環境保全に貢献するスタジアムを目指すとしている。楕円形の形状でよりコンパクトに収め、純木製の列柱72本が巨大な白磁の器を支えるようなデザインとなっている。また、水と緑の間を通過した涼風をスタジアム内部に取り込む仕組みなどを取り入れ、自然ネネルギーを最大限活用した地球環境に優しいスタジアムを目指すとしている。
それぞれの総工費は約1489億円と約1496億円で、上限の1500億円いっぱい。工期は、両者とも2019年11月30日に完成させるとしている。
今後、これらの応募案は、建築の専門家で構成される技術提案等審査委員会により審査が行われ、関係閣僚会議による点検を経た上で、2015年内に1つに絞られる。