現代芸術家・村上隆さん(53)の作品と類似していると指摘があったロゴについて、今年3月にオープンした「神戸アニメストリート」(神戸市長田区)は4日、現在のロゴの使用を来年3月末で中止すると発表した。3月末以降は、オープン1周年として準備していた新デザインのロゴに統一・変更するという。
神戸アニメストリートによると、ロゴは「アニメ」を「a に 目」と言い換え、さらに「ギョロリと視点を変える」をコンセプトに作成したという。しかし、村上さん側から、村上さんの作品と「誤認の恐れもあるかもしれない」と申し出があり、両者で協議してきた結果、来年3月末での使用中止で合意したという。
神戸新聞によると、村上さん側から連絡があったのは今年7月。インターネット上で類似性を指摘する声が広がったことから、村上さん側が神戸アニメストリートに連絡し、12月に入って合意に至ったという。
神戸アニメストリートは同紙に、ロゴはNPO法人KOBE鉄人プロジェクトのデザイナーに依頼して制作したもので、村上さんの作品の盗用ではないと話している。一方、村上さん側は、村上作品を知らないでこのようなロゴを作ることはできないなどと主張していたという。
神戸アニメストリートは今回の発表で、「本合意の有無に関わらず、当社とカイカイキキ(村上さんの会社)との間では、作品の提供、係争関係等その他一切の関係がございません」と説明している。
一方、来年3月1日からはオープン1周年を記念したさまざまなイベントを企画しているとして、「現在のロゴは来年3月までしか『お目』にかかることができません。ぜひ『目』に焼き付けるために神戸アニメストリートにお越しになられていない方は、是非一度足をお運びになられてはいかがでしょうか」と、今回の話題に引っ掛けて来年のイベントもPRしている。