もう一つの切り口は、聖霊ご自身と聖書、教会の関係をどう受け止めるか。以下の3関係理解と言えます。
① 聖霊ご自身と聖書の関係
② 聖霊ご自身と教会の関係
③ 聖書と教会の関係
ここで「教会」について、新約聖書が描く実態と、私たちが現実の中で用いている場合とに、一種のずれがある事実に注目する必要を痛感します。
私たちが何々教会と呼ぶ際、特定の地域の、特定の教団教派の地域教会を普通指します。ところが新約聖書で、例えばコリント教会と呼ぶ場合、それはコリントにある特定の教団教派の地域教会を指していません。コリントには、複数の指導者が存在しており、複数の集会、しかもそれぞれが教会組織上の特徴(監督教会的、長老教会的、会衆教会的など)を持っていたと考えられます。それら複数の指導者に導かれ、それぞれに教会組織上の特徴がある複数の教会や集会が、全体として一つのコリント教会と、コリントの外部から呼ばれていた実態を見ます。
そればかりでなく、コリントの内部でも、一つのコリント教会としての意識を持っていたと見るのが自然です。そうです、コリント教会は、小さな公同教会と見ることができます。また、見る必要があります。
それに反して、私たちが特定の地域の、特定の教団教派の地域教会とコリント教会を同列に見て、両者の間のずれを軽視し無視すると、「小さな公同教会」の恵みを見逃し、「我は聖霊を信ず。聖なる公同の教会、聖徒の交わり(中略)を信ず」の理解に欠けが生じると危惧します。
■ 我は聖霊、聖なる公同の教会、聖徒の交わりを信ず: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)
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宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部(組織神学)修了。宇都宮キリスト集会牧師、沖縄名護チャペル協力宣教師。2014年4月からクリスチャントゥデイ編集長。