東京都福生市のマンションで、住人の土田芳(よし)さん(38)が、顔の皮膚が剥ぎ取られた変死体で発見された事件で、土田さんはもともと女性だったが性同一性障害で手術を受けて戸籍上の性別を男性に変え、同居人の男性(28)とは交際関係にあったことが、13日までに分かった。同居人の男性も女性ホルモンの投与を受けており、普段は女性として振舞っていたという。FNNなどが伝えた。
これまでの報道によると、2人は養子縁組をして、土田さんが養親、同居人の男性が養子の関係にあった。2人を知る知人はFNNの取材に対し、「『男と男』で結婚できないわけでしょ。だから、養子縁組したみたい。(相手を)『奥さん』って言っていた」と話している。
現場は福生市のマンションの3階にある部屋。土田さんは、この部屋の6畳間の和室で死亡しているのが見つかった。顔の皮膚全てが剥ぎ取られ血だらけの状態で、頭にはポリ袋がかぶせられたいたという。顔以外には目立った外傷はなく、遺体は布団に包まれていた。
一方、剥ぎ取られた皮膚や、剝ぎ取るために使用したとみられる刃物などは現場からは見つかっていないという。
同居人の男性は12日午前5時半頃に帰宅、直後に土田さんも帰宅し、2人は少し会話をした後、それぞれの部屋で寝たという。同日午後5時半過ぎに男性が起きたところ、土田さんの変死体を発見、通報した。
FNNが近所の人の話などとして伝えたところによると、2人は周囲からはカップルとして見られていたが、今年に入り別れ話をめぐるトラブルがあったという。特に8月には、土田さんが男性の首を絞めるなどの暴行を加えたとして逮捕されていた。
性同一性障害は、心と体の性が一致しない状態の医学的な疾患名で、性同一性障害特例法では、「生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する2人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう」と定義している。