兵庫県尼崎市で起きた連続変死事件で、主犯格とされる角田(すみだ)美代子元被告(当時64)の戸籍上のいとこである李正則被告(41)に対し、神戸地裁は13日、3件の殺人などを認め、求刑通りの無期懲役を言い渡した。国内主要紙が伝えた。
李被告は、殺人3件、傷害致死1件を含む既に死亡している被害者5人に対する10の罪に問われた。この事件では、角田元被告の親族7人が罪に問われ、1審判決が出たのは李被告が6人目。5人が1審判決で受けた刑は懲役15〜20年(4人確定、うち1人が控訴)で、無期懲役は最も重い刑。残る1人の公判は神戸地裁で続いている。
李被告は、一連の事件で角田元被告に次ぐ中心的な役割を担ったとされている。李被告は、殺意はなかったなど主張し、ほとんどの罪を否認。犯行は角田元被告に従属的なものであったとして、懲役15年が相当と訴えていた。
この事件は2012年に発覚。尼崎市南東部で、角田元被告が約25年にわっって、血縁関係にない人物を多く集め、疑似家族を築きながら共同生活する中で、複数の人物が不審死したり、失踪したりした。確認されている死亡者は8人で、うち6人について殺人や傷害致死などの罪で、角田元被告や李被告など親族が起訴された。