厚生労働省は8日、2015年度の「卓越した技能者(現代の名工)」として、金属鏡の製作に卓越した技能を持つ鋳物工の山本富士夫さん(66)ら150人を発表した。9日には都内のホテルで表彰式を行う。
今年度の「現代の名工」に選ばれたのは、山本さんのほか、高級時計の組立・調節・修理で卓越した技能を発揮し、日本製の高級機械式時計産業に貢献した平賀聡さん(45)、船舶建造の第一線の技能工である山根英二さん(60)、薄物の羽織の縫込み技能の業界第一人者である山田操(みさお)さん(74)、指者・建具職の2つの技能をベストミックスし、重要文化財の修復・復元に貢献した福井澄夫さん(80)、西洋料理調理師の田中健一郎さん(65)ら150人。
「現代の名工」は、卓越した技能者を表彰することで、社会に技能尊重の気風を浸透させ、技能者の地位や技能水準向上を図ること、若手の技能労働者創出を目的に、毎年選ばれている。1967年度から始まり、近年はおおむね毎年150人を表彰しており、49回目の表彰となる今回までに、5887人が表彰されている。
被表彰者は、都道府県知事や全国的な規模の事業を行う事業主団体などの推薦を受けた者の中から、厚生労働大臣が技能者表彰審査委員の意見を聴いて決定する。
9日の表彰式は、リーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)で行われ、受賞者には、三ッ林裕巳厚生労働大臣政務官から、表彰状、卓越技能章(盾と記章)、褒賞金(10万円)が授与される。