日本政府観光局(JNTO)は21日、2015年9月の訪日外国人客数(推計値)を発表した。発表によると、9月の訪日外国人客数は前年同月比46・7%増の161万2千人で、これまで9月として過去最高だった昨年(109万9千人)を大幅に上回った。また、1〜9月の累計訪日外国人客数は1448万人で、これも過去最高だった昨年(1341万人)を超えた。
観光局は、今年9月の訪日客数の増加について、アジア地域を中心に休日が多い中、特に今年は中国の中秋節休み(9月26〜27日)が国慶節(10月1〜7日)に近づき長期休暇が取得しやすい日並びとなったこと、また韓国の旧盆休暇(9月26〜29日)が 8 月の旅行ピークから分離し、連休として独立したことが需要を喚起したなどと分析している。
さらに、これまでの訪日旅行プロモーションによる需要の創出、航空路線の拡大、近年の査証(ビザ)免除や要件緩和、円安と昨年10月からの消費税免税制度の拡充による買い物需要の拡大に加え、中国からのクルーズ船が多数寄港したことも増加要因となったとしている。
9月の訪日外国人客数は、国・地域別では、中国49万1千人(前年比99・6%増)、台湾30万3千人(同37・2%増)、韓国30万2千人(同38・6%増)、香港11万5千人(同64・9%増)、米国7万6千人(同10・1%増)が上位5つの国と地域で、アジア圏、特に中華圏からの増加が目立った。
一方、出国日本人数は、今年は1〜8月まで各月とも前年を下回っていたが、9月は152万6千人(推計)で、前年比0・3%増と今年初めて前年同月を上回った。1〜9月までの累計では、出国日本人数は前年比4・9減の1211万4千人となっている。