強姦(ごうかん)罪などで懲役12年の判決を受け服役していた70代男性の再審で、大阪地裁は16日、被害者とされた当時10代の少女だった女性らの証言に虚偽があったとし、無罪を言い渡した。大阪地検は即日上訴権を放棄し、無罪が確定。男性は、国と大阪府を相手取り、国家賠償請求訴訟を起こす考えだという。時事通信などが伝えた。
報道によると、男性は08年、当時10代の少女だった女性に性的暴行などを加えたとして、強姦罪や強制わいせつ罪で逮捕・起訴された。一貫して無罪を主張してきたが、女性の被害証言などに基づき一審で懲役12年が言い渡され、二審も一審を支持。最高裁が上告を棄却して11年に刑が確定していた。
しかし、昨年になって証言が虚偽だったと、女性と目撃者とされた女性の兄が告白してきたことから、男性が再審を請求。大阪地検の再捜査で、性的被害の痕跡はないとする診療記録も見つかったという。そのため大阪地検は昨年11月、刑の執行を停止して男を釈放していた。