【CJC=東京】家庭をめぐる世界代表司教会議(シノドス)第14回通常総会が4日、教皇フランシスコと司教たちが共にささげるミサによって開幕した。総会は、「教会と現代世界における家庭の召命と使命」をテーマに、25日までの3週間、バチカン(ローマ教皇庁)のシノドスホールで開催される。
開会ミサが行われたバチカンのサン・ピエトロ大聖堂には、諸聖人の連祷が響く中、教皇を最後列に、会議参加司教たちの長い入祭の列が続いた。バチカン放送(日本語電子版)によると、説教で教皇は、孤独、男女間の愛、家庭の3つの柱を通して現代社会の様相を直視した。
「グローバル化した世界の矛盾」として、豊かな住環境を備えながら家族の温かみの無い家、多くの気晴らしに囲まれていても虚しさを抱える心、たくさんの享楽に対する愛の欠如、自由はあっても自立が無い状態など、現代のパラドックスを指摘した。
高齢者や、配偶者を亡くした人々の孤独、お互いを放棄し合った夫婦、理解してもらえない人々、利己主義や暴力に走る人々、お金の奴隷となった人々、迫害や戦争から逃れる難民、消費文化の犠牲となった若者たちなど、現代の家庭の姿は、豊かな愛で固く結ばれた絆を保つことが困難な社会をそのまま表していると語った。
忠実で安定した自覚ある愛、家族を形成する愛は、古いものであるかのように嘲笑されていると述べ、出生率が最も低く、妊娠中絶や離婚、自殺、環境汚染率が最も高いことが進歩した社会であるかのように見る今日の傾向に懸念を示した。一致して共に歩む男女の愛こそが人間の孤独を消し去るのであり、神は幸福のために、愛し愛される、素晴らしい愛の体験を生きるために人間を創られたと説いた。
教会は基本的価値を教え、守り、真の愛に向けて教育するものであると同時に、傷ついた人間に対する善きサマリア人としての使命を忘れてはならないと関係者らに呼び掛けた。