【CJC=東京】キューバと米国への司牧訪問のため、ローマを19日に特別機で出発した教皇フランシスコは、同日午後、最初の訪問国キューバのハバナ・ホセ・マルティ国際空港に到着した。教皇は出迎えたラウル・カストロ国家評議会議長と握手。続いてハバナ大司教のハイメ・オルテガ枢機卿と抱擁を交わした。
翌20日、教皇はフィデル・カストロ前国家評議会議長を自宅に訪問、約30分、前議長の家族らも同席し、打ち解けた雰囲気の中で対話を行った。教皇に対し前議長は、環境問題や現在の世界情勢について意見を求めたという。教皇はその後、ハバナ司教座大聖堂で、司祭・修道者・神学生らと夕べの祈りを行った。
説教で教皇は、聖職者や奉献生活者に欠けてはならないこととして、「清貧さ」「弱い立場にある人々への奉仕」「赦(ゆる)す力」を挙げた。
訪問3日目の21日午前、教皇はキューバにおいて3番目に人口の多い都市、オルギンへ向かい、市内の広場でミサを行った。その後、サンチャゴ・デ・クーバへ移動した教皇は、神学院でキューバ司教団との出会いを持った後、「コブレの慈愛の聖母」巡礼聖堂を訪問した。
「コブレの慈愛の聖母」が、教皇ベネディクト15世によってキューバの保護者として宣言されてから今年で100年を迎える。
教皇は「コブレの慈愛の聖母」に、キューバの未来と同国民を託して祈り、コブレの聖母が「和解の聖母」として、世界に散らばった民を呼び集め、キューバが兄弟姉妹たちの家となり、人々が唯一の救い主、贖(あがな)い主キリストに心を開くようにと願った。
訪問最終日の22日、教皇は「コブレの慈愛の聖母」巡礼聖堂でミサを行った。続いて、司教座聖堂で家族たちの集いを持った教皇は、キューバから第2の訪問国、米国へと向かった。