カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは16日、聖公会の全世界の首座主教37人全員に書簡を送り、来年1月に英カンタベリーで首座主教会議を開くことを伝え、共に聖公会の将来を考え、祈る時を持つよう招いた。
首座主教会議は、全世界の首座主教たちが主要な議題について、直に顔を合わせて討論する機会であり、聖公会の世界的共同体である「アングリカン・コミュニオン」全体の組織の在り方や、次回のランベス会議に向けての話し合いなどが行われる。
会議で話し合われる議題は、全ての首座主教から集められたものの中から共通の合意により決定される。議題には、宗教を動機とした暴力、子どもや社会的弱者の保護、環境問題、また性の関する問題などが含まれるものとみられる。
今回の首座主教会議について、ウェルビー大主教は次のように述べている。
全ての首座主教に対し、最近の情勢について考慮する必要があるとはいえ、アングリカン・コミュニオンとして、特に首座主教としての働きを見直し、過去の出来事にも特段の注意を払うよう提案しました。
私たちの進むべき道は、1998年のランベス会議やそれ以降のさまざまな聖公会の諮問協議会の決定を尊重するものでなければなりません。それは前進する道でなければならず、教会がイエス・キリストの福音を宣(の)べ伝えるために、また弟子をつくり、聖(きよ)く礼拝し、生きるために絶対不可欠な存在に導かれ、さらに地域によって宣教や私たちにかかるプレッシャーが大きく違うことについて認識した上でのものでなければなりません。私たちは皆、異なる文脈に生きているのです。
私たちの社会と文化の違い、また北半球の先進国で顕著な文化の変化の速さは、聖書の命令、イエスの祈り、教会の伝統、神学的理解から一致を勧められるこの時にあって、キリスト教徒を引き裂こうとしています。21世紀における聖公会の家族は、私たちが共にイエス・キリストの黙示に真実である限り、深い不一致と相互批判に対する(話し合いの)場所が必要です。
聖公会に教皇はいません。個々の教会としての権威はそれぞれに分散され、究極的には聖書の中にあり、適切に解釈されています。その光に照らし、聖霊の導きによって共に会い、互いに仕え合い、愛し合うことに集中する道を備えることを可能にする方法を探り、全てに勝ってイエス・キリストの良き知らせを宣べ伝えることを強く願っています。
首座主教会議は、2016年1月11日から16日に、英南東部の都市カンタベリーで開催することが提案されている。
ウェルビー大主教は、アングリカン・コミュニオンのメンバーではないが、北米聖公会(ACNA)のフォーリー・ビーチ大主教かその代理人も、会議の一部に招待する予定だ。