【CJC=東京】教皇フランシスコは24日、米連邦議会を訪問、上下両院合同会議で演説した。
教皇が連邦議会で演説するのは、今回が初めて。「私もこの偉大な大陸の息子」と述べた教皇は、皆がこの大陸から多くを受けたのと同時に、共通の責任を負っていると説き、すべての米国国民に向け、よりよい社会の構築のため、受容と対話を呼び掛けた。
演説の中で教皇は、米国の未来の構築のために、時には命の犠牲をも払いながら大きな仕事を成し遂げた人々の存在に言及した。代表として、エイブラハム・リンカーン大統領、すべての兄弟姉妹に完全な権利が保証されるよう、人々に「夢」を追求することを教えたマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師、カトリック労働者運動の創立者で、信仰と福音に基づき、正義と抑圧された人々のために闘ったドロシー・ディ、そして、観想と信仰の実を対話に変え、平和の種をまいた厳律シトー会のトマス・マートン司祭の4人の名を挙げた。
移民問題については、この大陸の市民は多くが外国人であったのだから、外国人を恐れる必要はなく、「隣人に背を向けないように」新しい世代の人々を教育することが大切と説いた。
第2次世界大戦以降、これほどの規模の移民現象はなかったが、この挑戦に対して人間的で、正しく、兄弟的な対応をしなくてはならないと教皇は述べた。
また教皇は、死刑制度廃止にも言及。一人ひとりの人間の聖なる命、不変の尊厳を見つめ、社会が犯罪者たちの更生に取り組むよう希望した。
今こそ「いたわりの文化」を実現するために勇気ある行動を起こすときと教皇は述べ、自然を守り、貧困と闘うよう呼び掛けた。