【CJC=東京】教皇は24日午後、ワシントンからニューヨークへ移動した。到着後セント・パトリック司教座聖堂で、司祭・修道者らと共に夕べの祈りを行った。
25日午前、教皇は国連本部を訪れ、持続可能な開発について話し合う国連サミットの開幕を前に総会で演説した。教皇は、創設70周年を迎えた国連の歴史を振り返り、国際法の発展や、人権の規範づくり、多くの紛争の解決や和平に対するその貢献を共通の成功として評価。一方で、集団の野心やエゴイズムのために解決されていない問題があることを指摘した。
教皇は時代に合わせた国連の改革を提唱。事項の決定において、すべての国に平等な参加と意見の反映が可能になることを要望した。
特に教皇は国際金融機関の融資について、発展途上国を圧迫し、人々の貧困や疎外、依存を作り出すことがないよう注意を喚起した。
また教皇は、「戦争はすべての権利の否定であり、環境に対する悲劇的な攻撃である」とし、和平交渉によって戦争を防ぐ必要を示しながら、平和のために、誠実であいまいさのない取り組みを願った。
演説後、教皇は2001年の同時多発テロで崩落した世界貿易センタービル跡地の追悼施設「グラウンド・ゼロ」を訪ね、700人が集まるなか、テロの犠牲者や、悲劇への対応の最前線に立って殉職した救助隊員らの遺族と会見した。
続いて教皇は、追悼施設のホールで、ニューヨークにおける諸宗教の代表者との集いに参加した。「互いの違いのうちにも、平和な世界を生きることは可能です」と強調した教皇は、画一化を迫るあらゆる試みを拒み、違いを受け入れ和解し合うことの大切さを訴えた。
その後、教皇は専用車でセントラルパークを移動したが、教皇を一目見ようと同パークに集まっていた8万人の大群衆に迎えられた後、マディソン・スクエア・ガーデンでミサを行った。約2万人が集まった。