群馬県で活動するゴスペルクワイヤのネットワーク「群馬ゴスペルネットワーク」(GGN)が主催する「ゴスペル・サマーステージ2015」が22日、同県の伊勢崎市文化会館大ホールで行われた。今回のテーマは「平和の遣いとして」。県内で活動する11のゴスペルクワイヤ、ゴスペルフラ、ゴスペルダンスグループが参加。トリニティー、内藤容子、古村敏比古(サックス奏者)、スギモトトモタカ(ゴスペル歌手)、TAMAKI(ゴスペル・ディレクター)ら豪華ゲストも出演し、スペシャルゲストにはゴスペルシンガーのジョン・ルーカスを迎えた。
GGNは活動を開始して今年で15年。その活動の中心軸であり、「群馬ゴスペルライブの最高峰」といわれるこのゴスペル・サマーステージの開催は、今回で13回目となる。ゴスペルが日本に広まりを見せ始めたのは、ここ20年とまだ日が浅い。そう考えると、早い段階で県内ネットワークが結成され、ゴスペルが高い市民権を得ている群馬が、「ゴスペル王国」と呼ばれるのも納得だ。県内や近県で活動する30以上の市民クワイヤにとどまらず、ゴスペルユニットのトリニティーや「歌う信仰告白」で知られるソロ・アーティストの内藤容子など、プロのアーティストも同県から輩出されている。
ゴスペル・サマーステージの総合プロデューサーを務める、GGN代表の桑原義門牧師(ユアチャーチ・ゴスペルハウス)が、「一般の人が聞いても『良いライブだ』と認めてもらえるステージを作りたい」と話す通り、舞台に立つミュージシャンを一流のスタッフが万全の体制で支えている。今回は、某有名歌手のコンサートで働くオペレーターをはじめ、日本のロックサックスプレーヤーの第一人者で、サポートアーティストとして名高い古村敏比古さんを招いた。ライブ全体の印象を決めるトップバッターには、圧倒的な歌唱力と表現力を誇るトリニティーを起用するなど、ステージ構成にもこだわりがあり、スクリーンに流される映像も作り込まれていて余念がない。ただ単に大勢の人が集まってゴスペルを歌うというのではなく、音楽の質の高さを追求することを通して、クリスチャン以外の人々の心をつかみたいというGGNの在り方が伝わってくる。
会場に集まった観客のうち、「群馬のゴスペルが大好き」と話す県内在住の60代女性は、友人を誘って来場。「いつ来ても同じステージではないので、新鮮な気持ちでゴスペルを聞くことができて楽しい。何よりも、多くの人が神様を賛美する姿を見ることができるのが素晴らしい」と感想を話してくれた。また、長野から教会のメンバーと来場したという10代女性は、「教会によく訪れてくれる内藤容子さんが目的」だというが、内藤さんが登場する前から「どのクワイヤのゴスペルも美しくて驚いた」と、感動した様子だった。
ステージの合間には、桜井実牧師(あけぼのコミュニティー教会)が、イザヤ書43章から「神が私たちを愛してくださっている」というメッセージを伝えた。また、リハーサルでは、参加したクワイヤのメンバーを集めた短い礼拝も行われ、ステージ全体を通して福音のメッセージが溢れていた。次回のゴスペル・サマーステージは、2017年に開催される予定。