九州・福岡を拠点に活動するゴスペルクワイヤ「New Wings」が関東に初上陸。5月30日に、神の家族主イエス・キリスト教会(東京都足立区)でライブを行った。
「New Wings」は、ゴスペルシンガーの中山栄嗣さんが率いるゴスペルクワイヤ。大手レコード会社のエイベックスでボイストレーナーを務める栄嗣さんがディレクターとなり、ピアニストで弟の告(つぐる)さんらと共に、九州ばかりでなく、大阪や名古屋など各地で活動。今回、関東に初上陸し、翌日の31日には、渋谷公会堂で行われた第1回日本ゴスペル音楽祭でも歌声を披露した。
「New Wings」は、イザヤ書40章31節の「主に望みをおく人は新たな力を得、鷲(わし)のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない」という言葉を由来として命名。英語で歌われるゴスペルのみならず、日本語で作られたオリジナルレパートリーも数多く持ち、日本のゴスペル界に新風を巻き起こし、聴く人に愛と希望を運んでいる。栄嗣さんは、「ゴスペルの主人公はただ一人の方。何となくいる神様じゃなくて、この宇宙も地球も創られたただ一人の神様。彼が与えた喜びがあふれ出している。それが私たちが信じてるゴスペルの主人公イエス・キリスト。その方の愛と喜びが皆さんに伝われば」と語る。
この日は、9人のクワイヤと共に10曲を披露。使われた楽器は、最初の2曲を除けばピアノのみ。しかし、ピアノと歌声だけで音程のみならず、ビートも表現。会場にいた大人から子どもまで、全ての人が共に熱狂した。歌声のみで楽曲を表現する“アカペラ”についても、「もともとは教会で歌われる賛美という意味」と説明する栄嗣さんは、「ただ、ノリが良いだけじゃない。この喜びは神様から来ていて、尽きることはありません」と話す。
この日は、クワイヤの一人、兼子みよねさんが、なぜイエス・キリストを信じるようになったのか、自身のストーリーを語った。「ゴスペルとは、ただのポジティブシンキングではない」と栄嗣さんは言葉を続ける。「今日は、神様が最高の人生のために用意して、与えてくれた1日。僕たちはそういう理由があって良い日だと語ります。この日は神様が造られた素晴らしい日、だから楽しみ、喜ぶのです。神様は良きお方です」と語った。
さらに、「僕はクリスチャンの家庭で育ったにもかかわらず、曲がった思春期を過ごしました。何でも自分がしたいこと、楽しいことを選びました。けれどそこに心の満たしはありませんでした。しかしある時、ゴスペルを通して神様の永遠に変わらない愛を知りました。その変わらない愛だけが人を満たします。人の人生を変えていきます。僕も変えられた者の一人です。どんなに孤独でも、自分で自分を必要ないと思っても、それを真っ向から否定して『あなたは一人じゃない、愛されているよ』と優しく語り掛けてくれるのが、ゴスペルの主人公イエス・キリストです」と、ゴスペルとは何か、イエスとは誰かを紹介した。
10曲目を歌い終わった後には、会場中からアンコール。これに応えて、「My Life, My Love, My All」と「新しい命」を披露し、この日のライブを終えた。会場では、今年2月にリリースしたファースト・アルバム『New Wings』の販売も行われた。7曲を収録したこのアルバムは、公式ホームページでも販売されている。