(7)ビジネスマン生活を通して励まされた御言葉(聖句)
ビジネスマン生活を通して、励まされた御言葉(聖句)は多数ある。ここでは、幾つかの御言葉について紹介したい。
「信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです」(ヘブル11:1)
キリスト教信仰においては、信じる対象は目には見えない神であり、そのお方をはっきりと確信することが必要である。目に見えないものをはっきりと確信するという点において、キリスト教信仰は、まだ目に見えないものを見える形に捉えていくという研究開発と相通じる所がある。そういう点で、目に見えない神を信じるキリスト教信仰は、本質的な所で研究開発に大きな影響を与え得るものであるということを、長期間における研究開発を通して私は実感した。
「神は、私たちが行った義のわざによってではなく、ご自分のあわれみのゆえに、聖霊による、新生と更新との洗いをもって私たちを救ってくださいました」(テトス3:5)
私たちは神を信じる時、再び神と霊的に良好な関係を持つことができるようになり、聖霊の働きを覚えるようになる(霊的回復状態)。研究開発はこの霊的な状態、すなわち聖霊の働きを覚えることと深いつながりがあることを実感した。
「主は御霊です。そして、主の御霊のあるところには自由があります」(Ⅱコリント3:17)
「なぜなら、キリスト・イエスにある、いのちの御霊の原理が、罪と死の原理から、あなたを解放したからです」(ローマ8:2)
私たちはこの世で生きる時、多くのしがらみや既成概念にとらわれて、なかなかその束縛から抜け出せないことが多い。私たちが聖書の御言葉に留まり、それに従って生きようとする時、その御言葉は神の真理であるゆえに、聖霊に満たされ、心が解放されて自由になることができる。私は、朝聖書の御言葉に触れて会社に行った時、聖霊の助けによって心が軽くなり、良いアイデアにつながったということを何度も体験した。研究開発においては、一生懸命努力することももちろん必要であるが、その上にさらに御言葉と聖霊による自由が与えられる時に、良い結果が得られることを実感した。
「神はこれを、御霊によって私たちに啓示されたのです。御霊はすべてのことを探り、神の深みにまで及ばれるからです」(Ⅰコリント2:10)
「しかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制です」(ガラテヤ5:22、23)
研究開発では、本質的なことを見極める能力と、物事を複雑から簡潔・明快に統合する能力とが大変重要となる。天地万物を創られた創造者なる神の御力は、聖霊を通して信仰を持つ者の上に注がれているが、私たちがその聖霊に満たされる時、本質的なことを見極める力を頂けるようになり、大もとの現象に近い所で解決しようとするように導かれる。
また私たちの内に内住される聖霊は、私たちの性質を愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制に満たされたものへと徐々に変えられるが、聖霊はそのように多くの性質を統合してコントロールすることがおできになるお方である。それゆえ、私たちがこの聖霊に満たされる時、複雑なことを統合化し、単純でクリアな、また本質的な方向に整理したいという思いが与えられる。
「もしひとりなら、打ち負かされても、ふたりなら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない」(伝道者の書4:12)
私は妻のアドバイスによっても、随分支えられた。大学や他の企業からの誘いによって会社を去ろうかと迷ったとき、昇格や人事的な問題で悩んだとき、またその他の重大な局面で、妻が聖書的な観点から本当に良き助言をしてくれた。その助言のおかげで、もやもやとしていた心の霧が晴れ、正しい方向へと導かれたことが幾度となくあった。この御言葉は、このような夫婦関係構築の一つの指針であった。この御言葉が真実であることを、何度主に感謝したことであろうか。
「それゆえ男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである」(創世記2:24)
夫婦関係についてのこの聖書の御言葉がいつも頭にあり、このような夫婦になっていきたいとの願いがいつもあった。そのためにはお互いに相手をよく理解することが必要と思い、コミュニケーションをよく取るようになった。2時間、3時間と話し合うことがよくあった。そしてこの事が親子間で話し合う習慣にもつながっていった。家庭が平和であることは、仕事における試練・苦難を乗り越える力であることを実感させられた。
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(参考並びに引用資料)
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[4]カール・F・ヴィスロフ(1980年)『キリスト教倫理』鍋谷堯爾訳、いのちのことば社
[5]唄野隆(1995年)『主にあって働くということ』いのちのことば社
[6]宇田進他編(1991年)『新キリスト教辞典』いのちのことば社
[7]山崎龍一(2004年)『クリスチャンの職業選択』いのちのことば社
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[10]唄野隆(1979年)『現代に生きる信仰』すぐ書房
[11]ルーク・カラサワ(2001年)『真理はあなたを自由にする』リバイバル新聞社
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[14]ケネス・C・キングホーン(1996年)『御霊の賜物』飯塚俊雄訳、福音文書刊行会
[15]エドウィン・H・パーマー(1986年)『聖霊とその働き』鈴木英昭訳、つのぶえ社
[16]遠藤嘉信(2003年)『ヨセフの見た夢』いのちのことば社
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[21]厚生労働省編(2005年)『労働経済白書(平成一七年版)』国立印刷局発行
[22]ダニエル・フー「Goal-Setting」、国際ハガイセミナー資料(2005年、シンガポール)
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[26]ポール・J・マイヤー(2003年)『成功への25の鍵』小山大三訳、日本地域社会研究所
[27]国内ハガイセミナー資料(名古屋、2004年11月)
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[30]平野誠(2003年)『信念を貫いたこの7人のビジネス戦略』アイシーメディックス
[31]マナブックス編(2004年)『バイブルに見るビジネスの黄金律』いのちのことば社
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[34]野田秀(1993年)『ヤコブの手紙』いのちのことば社
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(その他の参考資料)
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・大谷順彦(1993年)『この世の富に忠実に』すぐ書房
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・小形真訓(2005年)『迷ったときの聖書活用術』文春新書
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・ロナルド・ドーア(2005年)『働くということ』石塚雅彦訳、中公新書
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・生松敬三(1990年)『世界の古典名著・総解説』自由国民社
・バンソンギ「キリスト教世界観」石塚雅彦訳、CBMC講演会資料(2005年)
・William Nix, 『Transforming Your Workplace For Christ』, Broadman & Holman Publishers, 1997
・ミラード・J・エリクソン(2005年)『キリスト教神学』第三巻、伊藤淑美訳
・ヘンリー・シーセン(1961年)『組織神学』島田福安訳、聖書図書刊行会
・ジョージ・S・ヘンドリー(1996年)『聖霊論』一麦出版社
・ウィリアム・ポラード(2003年)『企業の全ては人に始まる』大西央士訳、ダイヤモンド社
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門谷晥一(かどたに・かんいち)
1943年生まれ。東京大学工学部大学院修士課程卒業。米国ミネソタ州立大学工学部大学院にてPh.D.(工学博士)取得。小松製作所研究本部首席技監(役員待遇理事)などを歴任。2006年、関西聖書学院本科卒業。神奈川県厚木市にて妻と共に自宅にて教会の開拓開始。アガペコミュニティーチャーチ牧師。著書に『ビジネスマンから牧師への祝福された道―今、見えてきた大切なこと―』(イーグレープ)。