アジアキリスト教協議会(CCA)は、「神の家で共に生きる」を主題に、20日から第14回総会をインドネシアの首都ジャカルタのメルキュール・コンベンション・センター・アンチョールで開催している。CCAの新総幹事に選ばれたマシューズ・ジョージ・チュナカラ博士を迎え、CCA加盟教会・協議会の代議員や世界各地のエキュメニカル運動組織の代表者などを含めて450人を超える参加者が、アジアのエキュメニカル運動が直面する諸課題や今後の活動方針などについて話し合う。開催期間は27日まで。
CCAは総会開催前に公表した資料の中で、「神の家で共に生きる」という主題について、1)アジアの教会の証しとして、2)教会の垣根を超えて、3)責任をもって管理する、4)神の創られたものを持続させる、という4つの異なる相互に関連した神学的な視点を提示している。
現地時間21日午後6時(日本時間同日午後8時)から行われた開会礼拝では、前総幹事のヘンリエット・フタバラット・レバング牧師(左)から任務を引き継いだチュナカラ博士(中央)のために、スリランカのセイロン教会(聖公会)コロンボ主教のディロラジ・R・カナガサベイ牧師(右)が祈りをささげた(=写真)。
チュナカラ博士が先月本紙にメールで伝えたところによると、レバング牧師が1月にインドネシア教会共同体(PGI)の議長に選出されたため、実質的には既に4月から、チュナカラ博士がCCA総幹事の実務を引き継いでいるという。チュナカラ博士はその中で、CCA総会には総幹事の選出や承認に関する権限がないため、総幹事の職務を担わせるための会合というものは総会自体にはないと説明していた。
CCAは収支が2011年に黒字に転じて持ち直したものの、その後収入は減っており、スタッフの人員も削減される中で、新しい体制と方向性をどのようにして作っていくのかが注目される。
開会礼拝では、今総会の受け入れ役を務めたインドネシアのバタック族からなるルーテル派のプロテスタント・バタック・キリスト教会(HKBP)のウィレム・T・P・シマルマタ監督(=写真)が総会の主題に関する説教を行った。
シマルマタ監督は、ペトロの手紙一4章10節「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい」を、インドネシア語で朗読。その上で、「私たちはそれぞれ神から恩寵(おんちょう)の賜物を受けている」「私たちは皆、互いを気遣い、互いに仕え合うために神の賜物を用いなければならない」と述べ、「アジアのキリスト教徒が『神の家で共に生きる』よりよい霊的な力となる道を見つけるために、この総会に加わろう。神の恵みが私たち皆の上にあるように。アーメン」と説教を結んだ。
この開会礼拝では、両手の動きが特徴的な踊りや、伝統的な太鼓、竹笛、竹でできた十字架を用いるなど、多民族国家であるインドネシアの多様で豊かな伝統文化がふんだんに取り入れられる一方、不正義や暴力など、アジアの現実や人々の沈黙を嘆き、主に憐(あわ)れみを求める祈りが、祭壇の上で身体を用いて表現された(=写真)。
また、英訳付きのインドネシア語による今総会の主題歌「Hidup bersama dalam rumah tangga Allah(神の愛する家に歓迎の戸は広く開かれて)」と、「The Household of God(神の家)」が、総会中に複数回行われた礼拝で繰り返し歌われた(CCAの第14回総会ウェブサイトに音源あり)。
開会礼拝後、午後8時からは総会の開会が祝祭をもって祝われるともに、インドネシア政府からジョコ・ウィドド大統領の代理としてルクマン・ハキム・サイフディン宗教相が来賓として招かれた。サイフディン宗教相は演説の中で、宗教間の対立や汚名に代わる宗教の新たな思考の枠組みと新たな世界秩序を提唱するとともに、この総会における対話を通じた正義を伴う平和への期待を語った。
22日からは、日曜日を除いて毎朝午前8時から参加者が複数のグループに分かれて総会の主題に関する聖書研究を行った。22日の聖書研究後に行われた礼拝では、インドネシア西部の民族スンダ族の竹製楽器「アンクルン」(=写真)が、総会の主題歌の奏楽に用いられた。また、昼食前には参加者全員に大きさによって音の高さが異なるアンクルンが配られ、異なる音ごとに新約聖書の書名が記されたアンクルンを使って、賛美歌やUSAフォー・アフリカの曲「We Are The World」などの合奏が行われると、参加者から喜びの声が沸いた。
■ CCA第14回総会「神の家で共に生きる」:(1)(2)