同志社大学(京都市)と高知県は8日、「就職支援に関する協定」の調印式を高知県庁で行った。村田晃嗣(こうじ)同大学長と尾﨑正直県知事が出席し協定書が交わされ、村田学長による記念講演も高知市内で行われた。
今回の協定は、地域経済を支え、次代を担う人材の育成・確保を目指す同大と、県外の大学に進学した学生のUターン就職、またIターン就職を促進し、県の産業を担う人材の確保を目指す高知県側の考えとが結び付き実現したもの。協定により活動を公にし内外に見えるようにした、と同大のキャリアセンターは協定の意義について説明している。
同大には、毎年約30人の高知県出身者が卒業生として在籍しており、県としてはこれらの人たちに県内に戻ってきてもらい、産業の担い手としての活躍を期待している。県では、学生が採用意欲のある県内企業などに目を向けるよう、さまざまな支援活動を行っていきたいとしている。
今後は、学生に対して県内の企業情報や各種イベント情報の提供、学内での合同企業説明会などを開き、学生のUターン・Iターン就職を支援していく。また、県内企業などにおける学生のインターンシップ受け入れの支援なども行う予定だ。
調印式後、高知市内にある高知城ホールに場所を移し、村田学長の記念講演が行われた。県の公募により地元高校生や教師、同大OBなど約100人が集まり、「グローバル時代の教育と地域」をテーマに語った村田学長の話に耳を傾けた。
また、翌9日から高知市立自由民権記念館で、高知県生まれで、同志社神学校出身の牧師、奥村多喜衛(たきえ)氏の生誕150年を記念する展示が始まり、オープニングで村田学長がスピーチをした。奥村氏は、1894年に同志社神学校卒業と同時にハワイに渡り、開拓伝道に尽力、生涯をハワイの日本人移民と日系人のためにささげたことで知られている。