【CJC=東京】キューバのラウル・カストロ国家評議会議長と教皇フランシスコが10日、バチカンで初めて会見したが、米メディアCNNによると、カストロ議長は会見後、教皇の教えのおかげで宗教に対する姿勢の軟化を決意しただけでなく、自身も再びカトリック教徒として祈りをささげたい気持ちになったと表明した。
カストロ議長は「教皇の説話は全部読んだ。もし教皇がこうした発言を続けるのなら、遅かれ早かれ私も再び祈りをささげるようになり、カトリック教会の信者に戻るだろう。これは冗談で言っているのではない」と語った。
キューバでは兄のフィデル・カストロ前国家評議会議長が1961年に「私はマルクス・レーニン主義者であり、生涯それを貫く」と宣言して以降、カトリックなどの宗教を信仰する国民が厳しく弾圧された時期もあった。
1992年の憲法改正で宗教に対する差別は禁止されたものの、米国務省の昨年の年次報告書によれば、キューバ政府は依然として宗教活動に対する規制を続けているとされた。
CNNは、カストロ議長が10日、「私はキューバ共産党の共産主義者だ。党は信教を許してこなかったが、今は信者も我々の一部であることを認める。これは重要な一歩だ」と言明したと報じている。