パキスタンのキリスト教徒の社会的、宗教的、政治的権利を守る政党「パキスタン・キリスト教会議(PCC)」は17日、「タリバンによるペシャワールの学校児童の襲撃を非難する」とするコメントを、同フェイスブックに掲載した。
「PCCは、142人を超える生徒や学校職員を殺した、ペシャワール陸軍公立学校に対するこの攻撃について、3日間の服喪期間に加わる」と、同党はパキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州の州都で起きたこの事件について述べた。
米タイム誌電子版などは同日、パキスタンでペシャワールでの虐殺を受けて、同国政府が定めたこの3日間の服喪期間が始まったことを伝えた。
また、パキスタンのキリスト教ニュースメディア「パキスタン・クリスチャン・ポスト」は同日、「パキスタン・キリスト教会議、ペシャワールの学校に対する襲撃を非難」という見出しの英文記事を掲載した。
それによると、PCC会長のナジール・S・バッティ博士はこの殺害を強く非難し、「イスラム教の指導者たちが、イスラムとは何かをはっきりさせるべき時だ。それは平和の宗教なのか、それともイスラムに従わない人たちを殺す宗教なのか」と述べたという。
一方、パキスタンの英字紙「パキスタン・トゥデイ」電子版は日本時間の18日、「イスラム教には無実の人たちを殺す余地はないと、PUCがファトワ(イスラム教における勧告)を発表」という見出しの記事を掲載し、イスラム教の律法学者たちがつくる「パキスタン・ウレマ協議会(PUC)」が17日、ペシャワールの軍営学校で行われた襲撃を強く非難し、無実の子どもたちや教師たちを殺すことは野蛮な行為だと述べたと伝えた。
同紙はまた、米国の人権団体「平等と自由に対する責任(R.E.A.L.)」が16日付で発表した声明「タリバンによる人道に対する犯罪を拒み、国際刑事裁判所に行動するよう求める」の全文を掲載。同声明は、「きょう、ペシャワールで起きた子どもたちに対するタリバンの野蛮な大量殺人は、あらゆる宗教や国籍、政治的見解の人々によって非難されるべきだ」などと述べている。
また、女性の教育の必要性を訴えて今年のノーベル平和賞を受賞したイスラム教徒のマララ・ユスフザイさんも16日、「マララ基金」のフェイスブックで今回の襲撃を非難する声明文を発表した。
世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事は17日、死傷者への憐れみを表明し、被害者たちとその家族、そしてその社会のための祈りをささげた。
同日発表した声明文の中で、トヴェイト総幹事は「昨日ペシャワールの学校で132人の子どもたちと9人の職員が虐殺されたことに、私は衝撃を受け憤慨している。神の姿に似せて創られた同じ人間同士がこんな野蛮なことをしてしまうとは信じがたい。この攻撃の動機が、本当であれ、空想であれ、どんな不満によるものであっても、加害者たちの行為は全く非難すべきものだ。いかなる宗教であっても真の解釈によってこんな非道な行為を正当化したり、容認することはできない。私は犠牲者とその遺族のために、その社会のために、そして、このような理解できない無情な暴力と対決しようと闘う私たち皆のために祈る」と述べた。