国際基督教大学(ICU、東京都三鷹市)は、栃木県那須町にある同大学那須キャンパスの一部を活用して太陽光発電事業を始める。今月から太陽光発電所の建設工事が始まり、来年4月にも電力会社へ売電を始める予定。
同大学はキリスト教精神に基づくリベラルアーツ大学として、「ICU環境宣言」を制定しており、全ての活動においてキャンパス環境への適切な配慮と十全な管理に取り組んでいる。
太陽光発電は従来から再生可能エネルギーとして注目されている。天候に左右されるなどのデメリットも指摘されてきたが、東日本大震災以降、太陽光発電を含め再生可能エネルギーの積極的な活用への関心が高まっている。
同大学は、事業目的として、▽CO2削減による環境負荷低減への取り組みの一環、▽遊休資産の有効活用、▽事業により生じる収益の教育研究活動への還元の3つを挙げている。また、太陽光発電事業の開始自体が、再生可能エネルギーの現状や可能性について知らせる機会となるとして、学生と共に、社会における大学の役割、大学施設におけるよりよいエネルギー使用のあり方を考えたいとしている。
総事業費は約7億円。那須キャンパスの約4%に当たる3万6400平方メートルの敷地に、2つの発電所を建設する。稼動すれば年間240万kWh(冷蔵庫1台の年間消費電力量が約300kWh)の電力を発電できるという。