韓国国防省は2日、北朝鮮との境界線に近い愛妓峰(エギボン)に、韓国基督教総連合会(CCK)がクリスマスツリーを設置することを承認したと明らかにした。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(日本語電子版)などが同日伝えた。
同地には1970年代に建設された鉄塔があり、クリスマスの時期には電飾や十字架が取り付けられ、クリスマスツリーのように装飾されてきた。しかし、北朝鮮側はこの「ツリー」に対して異議を唱え、「心理戦のための道具となっている」と主張、砲撃の脅しまでかけていた。
鉄塔の電飾は、これまで両国の関係次第で行ったり、行わなかったりを繰り返してきたが、老朽化と訪れる観光客への安全上の懸念を理由に、今年10月に撤去された。
しかし、韓国の60以上のプロテスタント教団が加盟するCCKは先月、クリスマスツリーが平和の象徴であり、プロパガンダの道具ではないと表明。さらに韓国内では、鉄塔の撤去が北朝鮮への融和姿勢の表れではないかとの臆測が飛びかっていた。
この発表に北朝鮮は国営メディアを通して再び抗議。鉄塔の電飾は「宗教的行事の手段ではなく、緊張をあおる敵対行動」などと非難した。
韓国国防省の発表によると、新しい鉄塔の電飾は、今月23日から来月6日の約2週間にわたって点灯されるという。