アルフィー・サイラスさんの東日本大震災復興支援コンサートツアー「第1回クリスマス ウィズ アルフィー・サイラス」が1日、練馬文化センターで始まった。ツアーは11日まで行われ、公演は、横浜、いわき、仙台など関東・東北の計9カ所で行われる。
2007年に初来日したアルフィー・サイラスさん。長年音楽活動に携わり、マイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、矢沢永吉らとも共演してきた。また、映画『プリティウーマン』や『ライオンキング』などの挿入歌を歌ったことでも有名だ。
今回のツアーは、東日本大震災の復興チャリティーを目的に行われる。アルフィーさんは当時、震災をテレビで知り、「とてもこの世の物とは思えませんでした。自分の人生で恐らく経験することはないだろうと思っていたので、衝撃を受けました」と語る。「見るだけで悲しくて、夜眠れない日もありました」という彼女はその後、復興支援のために福島県内や仙台で歌い始めた。
ツアーのテーマは「楽しむこと」と語るアルフィーさん。「私はクリスマスが大好きなので、キャロルをたくさん歌います。ゴスペルや、昔参加させてもらったライオンキングの挿入歌を歌うので、ぜひ楽しんでいってください」と語った。
アルフィーさんの歌を通した活動は、15歳でイエスを心に受け入れた時から始まった。その頃、アルフィーさんは自分のアイデンティティを探していたという。「歌うことはすごく好きだった」と語るが、皆が褒めてくれるこの才能を、自分に厳しく接して追い詰めてしまった時期があるという。しかし、神に従うようになってからは、神が自分のために用意してくれたギフト(才能)が分かるようになった。そして、そのギフトを自分だけのものではなく、皆で分けあって使い、その喜びをそれぞれの心に届けるのが、自身の使命だと感じるようになったという。
「その時から天にいるお父さんである神様と、ちゃんとした関係を築きたいという願望を持ちました。一般的には少し早いと思うかもしれませんが、そのおかげで年頃の若い人が陥りやすい誘惑に負けずに成長できたと思うので、私にとって最高の決断になりました」と振り返る。
「どんな才能にもいえるかもしれないけれど、最初は好きではないことかもしれない。理解するまで時間がかかるかもしれない。でも向上心をもって続けてきました。今は皆でこの楽しさを分かち合うために神様が与えてくれたものだから、余計な感情を全て捨てて、ありのままの(楽しんでいる)自分を見せたいと思っています」と語った。
そんな彼女に日本への興味を持たせたのは、夫であり、マネージャーでもあるマイクさん。親日家のマイクさんは、70年代に音楽活動のために来日。アルフィーさんは彼と付き合い始めてから日本の素晴らしさを何度も聞かされていたという。時が経ち、実際に来てみたら「すぐ大好きになりました」と興奮気味に明かす。「しゃぶしゃぶや鉄板焼きなども好きですが、定食や箱膳など、ちょうどいい量の料理が美しく盛りつけてあるのが素晴らしい。また町も散歩して歩きたくなるようなきれいな場所がたくさんあります」と日本の魅力を語った。
一方、「政治的問題も社会的問題も見えることはあります」とアルフィーさん。だが、「私が思っていることは、『この国にイエスが必要』ということだけです」と言う。「日本の方と付き合ううちに心の中に、『日本人=クリスチャンになってはいけない』という壁が潜在的にあるのではないかと感じた経験もありますが、だからこそいろんな面においてイエスの救いが必要。私たちが人々をありのままに愛して祈って行動することが、暗闇にいる人たちの光になり、道しるべになる。神様は愛と聖書に書いてあるし、光とも書いてある。私たち人間の力だけでは何もできないけれど、祈って、行動し、そして神様に委ねればできる」と自身の胸のうちを明かした。
このツアーは11日(木)までの間、練馬の他、横浜、つくば、いわき、会津、郡山、福島、仙台の計8都市9会場で行われる。チケットは一般2500円、子ども1250円。会場では、彼女のCD以外に、復興支援のために現地の「磐城高箸」の割り箸の販売も行われている。問い合わせはコンサート事務局(電話:022・217・4611)まで。ツアーの詳細はこちら。