今年もイエスの誕生を祝うクリスマスがやってくる。国際協力団体「サマリタンズ・パース」では、戦争や飢餓、貧困に直面する100カ国以上の子どもたちに、 靴箱いっぱいに詰められたクリスマス・プレゼントを贈ろうと、「オペレーション・クリスマス・チャイルド(OCC)」を今年も展開する。
団体名「サマリタンズ・パース」(Samaritan’s Purse、「サマリヤ人の財布」の意)は、傷つき倒れた人の横を人々が通り過ぎる中、サマリヤ人は立ち止まり、その人を助けたという聖書の話(ルカ10:30〜37)をもとに名付けられた。フランクリン・グラハム氏が総裁を務め、戦争、貧困、自然災害、疫病、飢餓などで苦しむ人々を精神的、物質的に支援しようと、米国で1970年に活動を開始した。
日本では2011年に起きた東日本大震災を受けて、緊急援助団体として活動をスタート。同年には、被災した東北の子どもたちにもクリスマス・プレゼントを配った。復興支援を継続しつつ、2012年からは、海外の子どもたち(フィリピン)にクリスマス・プレゼントを贈るようになり、今年で3回目を迎える。
OCCの参加方法は、まずは、シューボックス(靴箱)を靴屋などでもらったり、文具店などで購入し、中にクリスマス・プレゼントをいっぱいに詰める。贈る相手を限定しやすいように、中身のプレゼントは、「女の子宛」か「男の子宛」、または年齢層はいくつくらいの子どもに合わせて選んだかなどを示すラベルを、分かりやすいところに貼っておく(ラベルはサマリタンズ・パースのHPからダウンロードできる)。輸送費の寄付金(1箱当たり700円)を振り込み、プレゼントをOCC集荷センターに元払いで送れば完了となる。
OCCのプログラムマネジャー、ローレンス綾子さんによると、昨年に日本国内で集まったシューズボックスは7304箱。昨年、「配布トリップ」に参加したというローレンスさんに、現地の子どもたちに人気なものを尋ねると、「文房具は常に必要性を感じているらしく、ノートやペンは大変喜ばれます。小さい男の子であれば、やはり、おもちゃですね。大きい子には、実用的なバックパックや時計などが人気です。女の子はスカーフや髪飾りなど自分を飾れるものをすぐに身につけてはしゃいでいるのを目にすることができ、大変印象に残っています」と話した。
また、「日々使えるTシャツや靴下もとても喜ばれます。また、プレゼントに気を取られて、同封してある手紙は気にしないのかなと思っていましたが、手紙をもらうと『この人が僕に書いてくれたんだ!』と、ぐっとスペシャル感が増すように思いました。何度も何度も手紙を読み返して、送ってくれた人に興味深々な様子でした」という。
集められた箱の検品作業には、150人以上の奉仕者が携わり、集荷センターに送られてきた箱、一箱一箱を検品する。「鏡やスノードーム、マグカップなどの割れ物は、輸送中に壊れてしまう可能性があるので、プレゼントから除外されてしまう。またクッキーやスナック菓子など、あめ以外の食べ物は、賞味期限などの関係から、贈ることができない。中古品、液体の入ったおもちゃなどもプレゼントには適さないものとして、やむを得ず、除外することになってしまうので、これらの商品以外のものをお願いしたい」とローレンスさんは話す。
また、悪魔的な絵柄、戦争で傷ついている子どももいるため、それを連想させるようなおもちゃや絵柄、肌の露出度が高い女の子の絵なども避けたいものだ。電池が必要なおもちゃの場合は、電池を添えておくことも必要。メッセージには写真を入れることもできる。受け取った子どもたちにとって、贈り主の顔が見えると、何よりのプレゼントになるだろう。
今年のOCCについてローレンスさんは、「オペレーション・クリスマス・チャイルドはどなたでも気軽に参加できて、世界宣教や海外支援に貢献することができます。一生に一度になるかもしれないプレゼントを通して、『自分は大切な者だ』と実感し、天の父なる神様が彼らを愛していることを知ってほしいです。良いものをいっぱいに詰めて贈ってあげてください。皆様のご支援を心より歓迎致します」と語った。
全ての子どもたちが笑顔になる日を祈り、親子で世界平和について考えつつ、プロジェクトに参加するのも良いかもしれない。今年の集荷期間は、11月18日(火)から22日(土)(必着)。仙台にある集荷センターは、期間のみ借りているため、期間外の受付はできないとのこと。詳しくは、HPを参照。