教会に属していない米国人が、教会や友人からのアウトリーチに対し、この20年で最も抵抗を示しているという新しい調査結果を、米キリスト教調査会社「バーナグループ」が明らかにした。
4万2855人から収集したデータによれば、教会に出席しない米国人成人の47パーセントは、友人から教会に誘われることに対しオープンであると回答したが、1993年の65パーセントからは減少した。
しかしながらこの調査結果では、教会に行くことに対し、友人からの個人的な誘いが他のアウトリーチの手段と比較して、最も効果的な方法であることが明らかになった。また、「心がある程度オープンな人」への家庭訪問や電話などの「ふれあい作戦」は有効であるということも明らかになった。
教会に行っていない米国人成人の27パーセントは、牧師が家庭訪問に来て教会に招かれた場合、教会を訪れることにはオープンだと述べた。これは20年前には34パーセントだったが、依然として他の方法に比べると高い割合であった。また、24パーセントは、教会から電話を受けた場合、教会へ行くことを検討すると回答した。
一方、こうした家庭訪問や電話に比べ、広告に対する反応は下がる結果となた。テレビやラジオ、新聞などで教会の広告を見聞きした場合、教会の訪問を検討すると述べた人は18パーセントで、ダイレクトメールが届いた場合、教会へ行くと回答した人は16パーセント。屋外看板の宣伝を見た後に教会を訪問することを検討すると述べた人は14パーセントだった。
調査によると、全米の成人人口の5分の2近くが、次世代の教会を担っていくと考えられる。ここには信仰に最も無関心とされるヤングアダルトたちも含まれる。
2000年代に成人を迎える「新世紀世代」と呼ばれる、教会のこれからを担うはずの18~28歳の半数近く(48%)が、神を信じたり、教会に出席したり、聖書を読んだりするなどの教会活動に参加していない。そして、同じく教会のこれからを盛り上げるであろう「X世代」と呼ばれる30〜40歳の40%についても、同じ状態であることが分かった。
さらに、教会に属していない成人のほぼ4分の1は、定期的な教会への出席を経験したことがない。
これらの調査結果から、バーナグループの社長であるデイビッド・キナマン氏は、「教会に属する人々と教会に属さない人々との間のギャップが大きくなっている。クリスチャンの信仰の家族・共同体が、自分たちの近所や街にいるまだ教会につながっていない人たちにリーチアウトしていくことに関して、今までにない困難を抱えることになるだろう」と述べた。
調査では、教会と地域社会の間に生じている亀裂の原因を明らかにしてはいないが、キナマン氏は「歴史的な文化的変化」が、クリスチャンたちを「急激に異国人化し、理解することを難しく」してしまったと考えている。
これらの調査結果は、キナマン氏とジョージ・バーナ氏による新刊本『Churchless: Understanding Today's Unchurched and How to Connect with Them』からのほんの一部である。この本では、今日における教会に属さないという状態を理解し、どのようにそういった人たちとつながるかを紹介している。