米国科学振興協会が16日発表した調査によると、米国の科学者の内36%は、神の存在について全くの疑いを持っていないことが分かった。
同協会は16日、米シカゴで年次会合を開催し、この中でテキサス州ライス大学の研究チームが、科学者とプロテスタント福音派の信者ら1万人を対象に実施したアンケート調査の結果を発表した。研究発表は、キリスト教信仰が根付くアメリカでは、科学と宗教が互いに対立するのではなく、協調できる可能性が高いことを示した。
一方、今回の調査では、米国の科学者と一般人の宗教活動についての比較も行われ、それほど違いがないことも明らかになった。また、科学者の36%は神の存在について全く疑いを持っていないと回答しており、3人に1人の科学者が神の存在を確かに信じていることが分かった。
同調査結果によると、科学者の内、1日に数回祈る人は19%(一般人は26%)、毎週礼拝に出席する人は18%(同20%)、自身を敬虔な信仰の持ち主だと考えている人は15%(同19%)、宗教に関する文章を毎週読む人は13.5%(同17%)と、いずれも一般人よりは少なくなるが、それほど大きな違いはなかった。
社会学者のエレイン・ハワード・エックランド氏は、AFP通信のインタビューに応じ、今回の調査結果は「科学分野の政策立案者や教育者にとっては、期待に満ちたメッセージだ」「なぜなら両者ともに、宗教に対して闘う姿勢でアプローチする必要がなくなるからだ」と語った。