日本では現在、約6割のカップルがキリスト教式で結婚式を行うとされている。そのため、友人や知人の結婚式で教会を訪れたことがある人は多いはず。では、結婚式以外で教会に足を踏み入れたことはあるのだろうか。あるとすれば、どのようなきっかけか。
本紙は、9月10日~15日にインターネットによるアンケート調査を実施し、全国の10~60代の男女100人から回答を得た。「結婚式以外で教会へ行った経験はありますか?」との質問に、3人に2人の66人が「ある」と回答。観光で、ミッション系の幼稚園・学校に通っていた、海外での留学・ホームステイ中に、身近にクリスチャンの親せき・友人がいた、などさまざまな理由を挙げた。
その中で最も多かった理由は、観光あるいは海外留学などで教会を訪れたというもので、23人が該当した。単に観光目的で訪れたという人が多かったものの、「市民の憩いの場として存在しており、思っていた以上に身近な場所に感じました」「服装にもあまりこだわりがなく、予想していたよりも自由な雰囲気だった」「日本の寺も同じですが、どんな有名な教会であっても地域の人々の生活に密着していると感じました」などと、外観以外の点でも好意的な感想があった。
教会に行った時期としては、クリスマスを挙げた人が13人と多く、クリスマスが教会へ足を運びやすい時期であることがうかがえた。クリスマスに教会へ行った理由は、「雰囲気を求めて」「毎年クリスマスのイベントを行っていたので」「何気なく通った道沿いに教会があり、ドアが開かれていて、中から歌声が聞こえてきたので」など。クリスマスの礼拝やミサ、クリスマス会に誘われて行ったという人は6人いた。
結婚式以外で教会へ行ったことがあると回答した66人中、誘われて教会へ行ったという人は14人で、その約4割がクリスマスの時期に誘われていることが分かる。クリスマスは、教会を訪れやすく、また教会側も招待しやすい時期であることがうかがえた。
親戚や友人にクリスチャンがいると回答した人は14人で、その場合の多くは、教会へ行った理由として親戚・友人から誘われたことを挙げている。一方、親戚・友人の葬儀で教会へ行ったという人も2人いた。
ミッション系の幼稚園・学校に通っていたことを理由に挙げた人は12人いたが、「誘われて教会へ行った」(14人)よりも少ない結果となった。
一方、結婚式以外に教会へ行った経験がないと回答した34人のうち、14人は単純に行く機会がなかったことを理由に挙げ、5人は近くに教会がないことを理由にした。「行くきっかけがないので行ったことはない。機会があれば綺麗な教会を見てみたい」「特にいかない理由もないので、機会があれば行ってみたいと思います」「今まで行くようなきっかけ、出来事がなかったからです。もし何か行くようなイベントなどあったら行っていたと思います」など、機会があれば行きたいとする肯定的な回答があった。
しかし、「教会は普段近づきにくい雰囲気がある」「教会に行ってもやる事がない。説教を聞きに行くほどクリスチャンでもないし興味もない」「個人的に一切の宗教を認めていないので宗教の毛がある場所には絶対に足を運びたくないと思っています」「キリスト教の信者さんでもないし、何となく敷居が高いような気がします。宗教に勧誘されそうで、少しおどおどしてしまいます」という声もあった。
教会へ行った経験がある人からは、「ボランティア活動をしていたとき、教会で子どもたちにノートを配ったことがあり、印象としては暖かい雰囲気だったと思う」「小さい頃、近所の友達の家族について行ったことがあります。聖書をただでもらい、親切にしてくれた記憶があります」「歌を歌ったたりしてとても楽しかった。またチャリティー活動などもしていてすごく勉強になった」といった声があったが、「正直薄暗く、何だか寂しい印象を受けたことを覚えています」「印象としては、礼拝ってこんな感じなんだと思う部分もあったが、青年部の礼拝は幼稚にも感じた」という声もあった。
また、「教会には結婚式以外にどんな用があるときに行っていいのかがまず分かりません。テレビで見る懺悔コーナーがあるのでしょうか?」「今まで、教会に行く機会もなければ、いつ・どのような要件で行けばいいのかも想像がつかない」など、教会に対して具体的なイメージを持てていない人もいた。
100人の回答者のうち、男性は22人、女性は78人。結婚式以外で教会へ行ったことがあると回答した男性は、ちょうど半数の11人。一方で女性は55人に上り、行ったことがないと回答した23人の2倍以上だった。
回答者の年代は、10代は2人(結婚式以外で教会へ行ったことがある人は2人)、20代は27人(同17人)、同30代は37人(同26人)、40代は24人(同16人)、50代は7人(同6人)、60代は3人(同2人)だった。