東京・六本木のインターナショナル・チャーチ「ライフハウス」が主催する異業種交流パーティー「Tokyo Biz」が3日、渋谷ヒカリエ11階のシアターカフェで開催され、約80人が参加した。日本人だけではなく、まさにインターナショナル・チャーチ主催のパーティーらしく、出身も言語も様々なバックボーンを持つ社会人が集まった。さらに、その内の約半数がクリスチャンではない一般の参加者だった。
ライフハウスは2002年、オーストラリア出身のロド・プラマー牧師が16人から牧会を始めた教会。現在では毎週延べ1500人を超える人々が礼拝に集まっている。特に音楽を用いた若い世代へのアウトリーチに力を入れており、このイベントの他にも若者を対象にしたさまざまな試みを行っている。最近では大学生や中高生の成長が目覚ましく、東京以外にも横浜や大阪、札幌、仙台、福岡、埼玉、香港、台北、バリ、ホノルルなど多くの地域で活動している。
このイベントは、若い社会人にイエスを伝えようという趣旨で2カ月に一度、社会人が集まりやすい金曜の夜に開いている。普段仕事でなかなか教会の働きに参加しにくい人でも集まれる、アウトリーチのための集会として始められた。
「異業種と関係が築けるイベントは、社会人には人気がある。クリスチャンにとっても、新しい出会いからイエスを伝えるチャンスができる」と、このイベントを主催し、自身も起業したビジネスマンでもあるアレックス・ワストリング氏は話す。今では多くの人々が集まるこのイベントだが、最初はうまくいかず、さまざまな試行錯誤の末に出てきたプランだと言う。
「最初はビジネスセミナーみたいなことをやっていたけど、金曜の夜やっと仕事を終えてきた社会人に、集中して話を聞かなきゃいけないような場を提供したいわけじゃないし、僕もやりたくない。ビールでも飲みながら、おしゃべりして交流を持つ方が楽しいし、それが皆にとってナチュラルだと思う」と現在のスタイルに落ち着いた経緯を振り返った。
今回の会場は渋谷ヒカリエの11階。渋谷の美しい夜景を眺め、間接照明で照らされたテラスで夜風に当たりながら、若い社会人が会話に花を咲かせる。教会のアナウンスも必要最小限で、祈りもメッセージもない。性別や業種、出身や言語の違いを超えて様々な人と会話ができるよう、簡単なゲームも用意されている。初めて参加したという人も、「教会ということを意識せずに話せたし、良い人脈ができた」と肩の力を抜いて気軽に楽しんでいた。
「やっていることはとてもシンプル。仕事が終わって、『一杯飲みに行こうよ』みたいな自然な流れで、自分の同僚や友達を招待する。そしてちょっとおしゃれな場所を使ってみんなで交流する。それならクリスチャンじゃない人も来て僕たちとつながりを持てるし、仕事で普段教会の働きに参加できない人でも、簡単にイエスのことを伝えるチャンスを得る。そしてクリスチャンの良さ、面白さを伝えて関係を築き、教会に興味を持ってもらうきっかけにできたら良いと思う」と、参加メンバーは語る。
場所も一カ所に定めず、毎回さまざまなスタイルや料理が味わえるのも魅力の一つ。値段は2500円でワンドリンク付き。今回はイタリアンのビュッフェ形式で、季節野菜のバーニャカウダーやサーモンマリネなどを前菜に、スープや肉料理、魚介類とキノコのパスタなど多彩な料理を楽しんだ。来ている人を決して飽きさせないこと、敷居を高くしないことに心を配っている。
これからのビジョンについてワストリング氏は、「頻度を増やしても良いかもしれないし、キャリアセミナーにつなげてみたり、海外支援やチャリティーにつなげていくのも良いかもしれない。一般のネットワークイベントでもそのようなスタイルは広く普及しているわけだし、その分野に興味のある人たちとつなげるようにしていきたい」と話してくれた。