11日に発表されたある報告によると、米マサチューセッツ州オーリン工科大学のコンピューター科学者アレン・ダウニー氏の研究で、どの宗教・宗派にも所属していないアメリカ人の割合は1990年から2010年の間に8パーセントから18パーセントに増加し、それと同時にインターネットの普及率もほとんどゼロに等しかったのが約80パーセントに増加したことが分かった。
ダウニー氏の研究からは、宗教的関心が約20パーセント減少したことはインターネット使用の増加と関係があることがうかがえる。
1980年代、インターネットの使用は実質上ゼロだったが、2010年にはアメリカ人口の53パーセントが1週間に2時間、25パーセントは7時間以上、インターネットを使用しているという。
ダウニー氏は、このことが宗教的立場に関係するのは、特定の宗教の影響を受けて育った人が他の宗教に関心を持つようになった場合、同じ信仰を持つ人々とつながることがインターネットによって容易にできるようになったからではないかと推測する。
「均質的な社会で生きる人々にとって、インターネットは他宗教の人々についての情報を与え、彼らと個人的に交流する機会を与えてくれます」とダウニー氏。「逆に、特定の宗教に属さないことがインターネット使用を増加させるというのは、もっともな理由を考えることが(不可能ではないにしても)難しいです。事実、インターネットの使用が特定の宗教に所属する機会を減少させたのです」
一方、キリスト教系の出版社ネルソン・ブックスに勤めているジョー・ミラー氏は、今週早々、仕事とは関係のない、自身の個人的ブログで、ダウニー氏とは異なる結論を述べた。
「ダウニーの答えは、宗教と無知とを同一視する現代的な偏見を表しているに過ぎません。根本的に間違いです」とミラー氏は書いている。「しかし、あくまでもインターネットを一つの要因と考えるとして、視野を広げてみれば、もっと遥かに明白な答えがあります。ポルノです」
「ポルノは最初からインターネットの一部でした。オンラインでのポルノの消費量は、クリスチャンの間すら驚く程です」とミラー氏。
彼はポルノのせいで「祈りや有益な瞑想」が妨げられると主張する。
「キリスト教的な精神生活を考えれば、欲望を満足させながら聖なるものに近づくことはできません。欲望を満足させようとすれば、内面的に葛藤が起こり、結局唯一の解決はどちらか一方をあきらめることになります」とミラー氏は書いている。
また、ミラー氏は、ポルノにどっぷり浸かっていくにつれて、怒りが増し、神から離れていくという点について、ネイト・ラーキン氏の著作『Samson And the Pirate Monks』にも言及する。
「インターネットの登場と信仰の喪失に関係があるとすれば――それ自体興味深い発想であるが――思想の役割はおそらく大きくはない。人の心が議論で冷めることはあまりないが、罪は確かに心を冷めさせる」とミラー氏。
正教徒で作家のロッド・ドレハー氏は、ミラー氏の主張を自身のブログで引用し、彼の結論に賛成している。
「現代社会のセックスの見方を受け入れて、キリスト教の見方を捨てるなら、キリスト教自体を捨てることになる。人はそう思いたがらないが、事実だ」
2012年のピュー研究所の報告で、アメリカ成人全体の5分の1、30歳未満の成人の3分の1が特定の宗教に所属していないことがわかった。この数字は2007年に比べて5パーセント増加しており、無神論者、不可知論者の他、自分が特定の宗教に所属すると考えていない人々を含む。
「プロジェクト・ノー」という団体が現在、ポルノに依存している人々を助けることを目的としたキャンペーンを展開しているが、WebMDによれば、ポルノ的な内容を含むウェブページは現在4億2千万件あるという。ネット上で第2番目に大きいポルノサイトは「1日に1億件の閲覧があり、ピーク時には1秒間に4千のビデオを流している。驚くのは、この1つのサイトだけで、インターネット全体のトラフィックの2パーセントを占めるということだ」